| 1 日 時: | 平成10年5月14日(木)17:00〜18:00 | ||
| 2 場 所: | 中央合同庁舎第5号館 労働省省議室(16階) | ||
| 3 出席者: | 〔委員〕 | 公益代表 | 西川会長、白井委員、小野委員、松本委員、 |
| 若菜委員 諏訪委員 | |||
| 雇用主代表 | 秋山委員、菅野委員、指田委員 鈴木委員 | ||
| 労働者代表 | 野田委員、久川委員 江夏委員 相馬委員 | ||
| 津田委員 | |||
| 〔事務局〕 | 征矢局長、日比次長、吉免審議官、中野部長、松井庶務課長 | ||
| 上村雇用保険課長、浅野業務調整課長、梶田地域雇用対策課長、 | |||
| 河合参事官、東民間需給調整事業室長 | |||
| 4 議 題: | (1) 労働者派遣事業制度の改正について | ||
| (2) 「緊急雇用開発プログラム」の実施について | |||
| (3) 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問) | |||
| (4) その他 | |||
| 5 議事経緯 | |||
○会長
定刻になりましたので、第372回中央職業安定審議会を開催いたします。
○委員
これまで、平成9年1月28日から検討を開始いたしまして、それ以降38回にわたりまして、鋭意議論を重ねてまいりました。本日に至るまでに、昨年9月及び12月に、途中の経過を本審へご報告申し上げました。
今回の見直しの中では、我が国政労使を含め多数の賛成の下に昨年6月に採択されましたILO第181号条約の批准を念頭に置きつつ、社会経済情勢の変化への対応、
労働者の多様な選択肢の確保等の観点から検討が行われました。
今回の見直しにおきましては次の点を中心に、制度全般にわたる検討を行いました。第1に「労働者派遣事業制度の在り方」、第2に「適用対象業務」、第3に「派遣期間」、第4に「許可届出制」、第5に「労働者保護」のための措置です。
まず第1に「見直しに係る基本的な考え方」ですが、現行の労働者派遣事業の運営及び派遣労働者の就業に支障が生じないよう留意しつつ、新たな労働者派遣事業を臨時的一時的な労働力の需給調整に関する方策として位置付けるというものです。
今回の見直しの具体的な措置としましては、以下のような措置を講ずることが適当であるということで、資料No1の別添に報告がございます。ここではその次の資料No2の概要に沿って、簡単にポイントだけ指摘いたします。
資料No2の1ページ、IIの第1「適用対象業務」ですが、ここでは「適用対象業務の在り方」として、いわゆるネガティブリスト化の方向を取るということであります。ただし、「適用対象業務の範囲」につきましては、
、
という、従来からの範囲の確定の考え方に加えまして、
「その業務に従事する労働者の就業条件を確保するためには労働者派遣により派遣労働者に従事させる
ことができるようにすることが適当でないと認められる業務」をネガティブリストの内容に盛り込むことにいたしました。
第2「派遣期間」ですが、派遣期間の上限を設け、それを原則1年としたいと思います。この1年を超える場合には、2ですが、派遣労働者の希望があることを条件として、当該派遣労働者を派遣先が雇用するよう努めなければならない、また、派遣先が派遣期間の上限に係る違反をした場合には労働大臣の勧告及び公表の対象とするというようなことを盛り込みました。
第3「許可届出制」については、許可基準あるいは手続きの簡素化等の所要の措置をとりつつ、原則としてこれを維持することにいたしました。
第4「労働者保護のための措置」といたしましては、
苦情処理等の適切な措置を取るようにする、
派遣労働者の派遣事業に係る適正な措置を(1)〜(3)のようなことを中心として取る、
個人情報の保護のための規定を置くことなどを盛り込みました。
最後に第5「高齢特例、育児介護休業代替要員特例」等につきましては、必要な法的措置を取るということといたしました。
なお、項目によりましては、労働者代表委員及び雇用主代表委員の意見が付記されています。以上のとおり、資料No1にありますような報告という運びになりました。
なお、労働者代表委員からは、この報告書に対してはなお不十分であり不満があるということで、反対の意見が表明されたことも付け加えて述べさせていただきます。
以上です。
○会長
ありがとうございました。本件に関しましてご意見ご質問がありましたらご発言をお願いいたします。
○委員
いま、最後にありましたように、小委員会報告の中で、労働者代表委員としては本委員会報告について反対、納得できないという意見を出した。それでもなお、今回、三者構成という基本的な枠組みの中央職業安定審議会の小委員会等において職業安定行政について検討する場合に、三者が対立を残したまま小委員会報告をするのは、基本的な姿勢としていかがなものか、ということがま
ず疑念としてあります。
そのことをベースにして、私どもとしてはこの間、小委員会に参加をしている労働者代表委員から審議模様等について聞いてはおります。それでもなお、具体的に私どもがわからない部分といいますか、なぜこういう見解、報告になったのかということについては、わからない状況があります。
したがいまして、この審議会において、私どもは小委員会に参加しておりませんので、本審議会において正式文書で、こういった項目についてどういうような見解のもとで報告を出されたのかについて質問をいたします。お配りし、その趣旨について申し上げたいと思いますが、よろしいですか。
○会長
はい。
○委員
それでは、読み上げませんが、今回質問を出した項目について、私どもがどういったことについて問題意識を持っているかについて若干補足をさせていただきたいと思います。なお、本日は公式に質問書を出していますので、是非、公式に文書をもってご回答をお願い申し上げたいと思います。
そのことを前提といたしまして私どもは、まず1つは現行の派遣法について、労働者保護という観点から十分であるかどうかに疑念がある、という認識を持っています。現行法に疑念があるというのは、法の施行上、例えば派遣の対象業務外の派遣、さらには派遣期間を超えてもなお派遣をされている実態等が現行においてもあるのではないかということです。あるのではないかというよりむしろあるという認識をしております。
そういう観点からしますと、現行法において、労働者保護ということ、さらには法の枠組みは不十分だという認識を持っているわけであります。その上で、なお今回、その制度の枠組みの下に、派遣期間は1年を上限とするものの、基本的には原則自由化とするネガティブリスト方式によって、対象範囲を自由化することについていかがなものかという疑念がまずあります。
さらに、今回のILO第181号条約は、基本的な対象範囲について原則自由化するということについては認めつつも、その趣旨は基本的には労働者保護を前提とした対象範囲の原則自由化だという認識を私はしています。しかしながら、今回の報告に見られる内容は、原則自由化ということについては盛り込んでいるものの、はたして労働者保護という観点から十分な対応が取られているのかどうかということについて疑念があります。
さらに、そういった現在の法律の状況、さらには今回の原則自由化と労働者保護の観点からすれば、今回の法律が仮に施行されたとすれば、常用雇用が不安定雇用という派遣労働者によって置き換えられるということがより助長されるのではないかという懸念を大きく持ちます。このことは、常用雇用を基本としつつ一部例外的に「高度、専門的な」ということに限定して派遣を認めた現
行の法律の趣旨からすれば、基本的にはこの法律の今回の改正案というのはより不安定雇用を助長することにつながらないか、また、そういうところに大きく転換していくのではないかという心配をしております。そして、現在の常用雇用と派遣労働者の労働条件、賃金等の条件があまりにも離れている実態からすると、労働条件がより低下をすることが進むのではないかという心配があります。
そういったことから考えますと、こういった労働形態に極めて大きな影響を与えるこの法の改正について、中央職業安定審議会という職業安定を目的とした審議会が、不安定雇用を助長するような方針を提起することについてはいかがなものかということについて、私どもは強い怒りを覚えます。今回、私どもとしては、そういうことを背景にして各項目の質問を出していますので、冒頭に申し上げましたとおり、是非文書をもってお答えいただきたい。その上で、さらに労働側として検討させていただきたいと思います。以上です。
○会長
確かめたいのですが、質問書についていま読み上げることはしないとおっしゃいましたが、伺っていて私にはよくわからないところがあります。例えば労働者保護措置に関して、「それに答えるものとなっていないと考える」とおっしゃいましたが、労働者代表委員としてはそういうふうにご認識になっているということですか。
○委員
そうです。
○会長
いまお話がありました点、例えばI.で「なぜ!とりまとめを急ぐのか」といった点に関しては事務局からお話をしていただきたいと思います。
○事務局
文書による質問書につきまして、文書による回答というお話ですが、私の経験する限りでは、当審議会でそういう例はなかったように記憶しております。
ただ、こういう形のお話ですので、ただちに文書で、ここでというわけにもいきませんので検討させていただきたいと思います。そういうことを前提として、ただいまのご質問の点についてお答えをさせていただきたいと思います。
第1点目ですが、今回の労働者派遣事業制度の見直しの検討におきましては、先ほど小委員会座長からお話もありましたように、当審議会の小委員会におきまして昨年の1月以来、本審も含めて40回にわたる検討を重ねてきていただ
きました。その間、労使各側の皆さんから多岐にわたるさまざまなご意見が出され、長い間議論が行われてきたところでありますが、見直しの基本的な考え方についての労使の認識に異なる面があり、なかなか溝が埋まらないということが考えられます。
そこで、取りまとめに向けての議論の促進を図るために、労使の意見、それからILO第181号条約の批准を念頭に置きながら、公益委員の先生方から見解が提示されたわけであります。従って、「はじめに結論ありき」ということで結論を示してということではなくて、労使に十分ご意見を出していただいた中でご意見が異なるということから、考え方の1つの基本としてILO条約を念頭に置きながら、公益委員の先生方に見解を示していただいたということで進めてきました。
その公益委員の見解を踏まえて、今回この報告が作成されました。そういう意味では、そこにあります「産業民主主義の基本でもある三者構成のルールを無視したものである」というご指摘については、むしろそういう民主主義の基本である三者構成のルールに基づいて十分に意見を出し、議論をしていただいて、その報告をおまとめいただいたものと考えています。
その際、従来、職業安定審議会は三者不一致で結論を出すということはやっていないのではないか、というご指摘がございましたが、確かにそういう例は少ないわけであります。でき得れば、三者の意見が一致するような形が望ましいわけですが、そこの差がなかなか埋められない場合、公益の先生方にいま言ったような観点からの見解を出していただく。ただ、その見解に対してさらに労使それぞれにご意見があるということから、今回のような小委員会の取りまとめをしていただいたと考えています。
その間事務局といたしましても、各委員から示された質問等につきましては、審議の過程で検討のための参考資料を提示し、また公益委員の先生方にもお願いして質問等にご回答いただいたり、議論の促進のための見解をお示しいただく際に、そのお手伝いをさせていただくという形での対応をしてきたところであります。
また、今回の見直しにつきましては多様な検討材料のもと、本審も含めて40回の検討を行うということで、非常に多くの機会を設けて検討してきていただいております。これは他の制度の見直しにかかる検討と比較いたしましても、早急に結論を出そうという形のものではないという認識をしております。
次に、今後の日本の雇用慣行の在り方等、労働者派遣事業の対象業務のネガティブリスト化との相関関係について、どんな見識を持っているのかという点についてであります。今後とも、基本的に日本的雇用慣行、これは我が国労使双方にとって雇用の安定と経営の安定の両面から非常に重要であるという認識をしているところです。一部、賃金の在り方等について、経済社会情勢の変化に伴って変わるという面がありますが、特に長期雇用という視点については重要なものであると考えております。
今回の制度見直しにおきましては、ILO第181号条約第2条の趣旨を踏まえて、労働者派遣事業の適用対象となる業務についてネガティブリスト方式を採用するとされているわけであります。併せて、労働者派遣を一時的臨時的な労働力需給調整に関する対策として位置付けて、最大限1年の派遣期間という制限を厳正に行うという考え方に立っているというふうに考えています。
したがいまして、常用雇用労働者の代替が促進されないような制度の枠組みを構築するという観点から措置されたものであって、基本的には従来からの日本的雇用慣行に影響を及ぼすものではないという認識をしております。
2点目の「『雇用の安定』が国の基本政策であり、その確立が急務となっているが、不安定雇用を増大させる今回の措置は、このことに重大な影響を及ぼすと考えるかどうか」という点であります。ご指摘のように、雇用の安定は国の基本政策となっておりまして、その確立が急務となっているという観点で、当面、非常に厳しい雇用・失業情勢に対処するために、「総合経済対策」の中で今回「緊急雇用開発プログラム」を実施したいと考えております。ここは後ほど、審議をお願いしているところであります。
今回の制度見直しにつきましては、社会経済情勢の変化への対応、労働者の多様な選択肢の確保等の観点から、常用雇用の代替のおそれが少ないと考えられる臨時的・一時的な労働力の需給調整に関する対策として位置づけ、1年の派遣期間の制限を厳正に運用するとともに、労働者保護のための措置も充実することによって雇用の安定に重大な影響を及ぼさないようにするものである、という考え方であります。
次に3点目の「二者関係から三者関係に雇用関係が変化することで、企業の雇用責任が希薄化することについて、どのように考えるか」という点であります。労働者派遣事業につきましては、労働者を雇用する者と指揮命令する者が異なることによりまして雇用責任が希薄化するというご指摘ですが、ILO第181号条約第11条及び第12条の趣旨を踏まえて、雇用責任を派遣元事
業主及び派遣先に分担して負わせることとしております。
このように、基本的には三者関係の下で、ただちに雇用の責任が希薄化するということにはならないと考えておりますが、労働者派遣契約の中途解除の場合のように派遣労働者の就業に影響が及びやすい場合の対応策について、労働者派遣契約の記載事項として具体的な内容を指針に記載する等の措置を取っております。なお、今回の小委員会の報告におきましても、その実効が図られる
ような措置を取ることについて充実を図るべき、との指摘がなされており、行政としてそれを積極的に受け止めて対策を講ずる必要があると考えています。
4点目の「常用雇用の労働者が派遣労働者に代替させる危険性について、どのように考えるか」という点であります。派遣先の常用雇用労働者が派遣労働者に代替されることについては基本的に望ましいことではない、それが基本的な考え方であると考えられます。今回の制度見直しにおきましては、こうした観点から新たに労働者派遣を行うことができることとする業務に係る労働者派
遣につきましては、常用雇用労働者が派遣労働者に代替されることがないようにするために、基本的に臨時的一時的な労働力需給調整のための対策として位置付け、1年の派遣期間の制限を厳正に行うという制度上の措置の充実と併せ、適切な運用というものについて、きちんと行われるように制度上及び運用上も充実強化する、あるいはそう努めていく必要があると考えています。
5点目の「労働者派遣を臨時的・一時的な労働力の需給調整のための対策とする『小委員会報告』中の派遣労働者が長期固定化することに懸念はないか」という点であります。基本的に、派遣先の常用雇用労働者の派遣労働者への代替については望ましいことではないというのが基本的な考え方でございます。
今回の制度見直しにおきましては、新たに労働者派遣を行うことができることとする業務に係る労働者派遣につきましては、常用雇用労働者が派遣労働者に代替されることがないようにするために、基本的に臨時的一時的な労働力需給調整のための対策として位置付け、派遣先が同一業務について1年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこととし、これに反した場合に派遣先は派遣労働者の希望があれば当該派遣労働者を雇用するように努めなければならない、あるいは、労働大臣の指導に従わない場合には勧告・公表制度を設ける。そういうことを行うことによって、派遣期間の制限を厳正に行うという考え方であります。こうした制度上の措置に基づく運用の充実を図ることによって、臨時的・一時的な労働力需給のための対策としての労働者派遣が長期固定化することはないという認識をしております。
次に、5点目の続きとして、「併せて、派遣労働者の増加が所得格差や社会保険適用労働者及び労働安全問題に及ぼす影響について、どのように考えるか」という点であります。所得格差、あるいは社会保険の適用、安全衛生の問題については、基本的には労働者派遣事業に特有のものではないと考えておりまして、そういう意味での特別の影響はないものと考えております。
賃金の問題につきましては労働市場の中で、労使間の交渉によって決定されるものであることから、現実の問題として派遣労働者の組織化が進んでいないという問題点はありますが、賃金自体は労使間の交渉によって決定されるものであるというふうに考えています。
社会保険の適用の問題については、一部制度上の問題があるという意見もございます。ただ、これは本審議会での議論の範囲を超えるものであるために、小委員会報告で指摘されているように、本審議会としては社会保険の適用を怠って罰金刑に科せられた場合、それを許可の欠格事由に追加すること、あるいは制度の趣旨、内容等にかかる指導周知を図ることにより、その適用の促進を図ることとしております。
また、労働安全衛生上の問題については、基本的には労働者派遣法上の労働安全衛生法の特例により、派遣先事業主と派遣先との責任分担を明確にしているところであります。これによって、ILO第181号条約第11条及び第12条の規定に係る要請は満たされているところであります。ただし、未だに十分に実効が図られていない実態が見られるとの指摘もありますので、今後ともその旨については十分に留意することが必要であると考えています。
以上、お答え申し上げました。先程ご指摘の文書での回答につきましては、十分に検討させていただきたいと思います。
○会長
ありがとうございました。よろしいですか。
○委員
文書の扱いは別途相談ということでしたが、いまご回答があった内容は小委員会の意思としてご回答をいただいたということですか、それとも労働省としてのご見解なのか、どちらのご見解なのでしょうか。
○事務局
中央職業安定審議会の会長宛ての質問書ですが、そのご質問に対する回答として、文書として回答する考え方としては、やはり労働省ということではなくて中央職業安定審議会ということでありましょう。ただ今その考え方を会長に代わりましてお答え申し上げました。
○委員
これは会長のご見解ということですか。
○会長
いや、労働者代表委員からは、会長の見解をどうだという形でご要望はなかったわけですよね。ただ、この文書は中央職業安定審議会会長としての私の名前で出されたということですね。あなたはこの小委員会のメンバーになっていないわけですけれども、過去において、先程小委員会座長からご報告がありましたように小委員会で38回検討をして、労働者代表の委員の皆様にもそこに加わっていただいているわけです。それから、ここで中間報告を2回しているわけです。その結果として、この報告がまとめられたわけです。
○委員
会長がおっしゃるように、非常に異例中の異例の質問書だと思います。従来であるなら意見書だとか、あるいはその他の形を取るのがよろしいのかと思います。
我々もいろいろ考えてみたわけですが、この間、私自身は小委員会のメンバーですから、小委員会には労働側の4人の代表意見という形でさまざまな意見書を提出しています。したがって、同様な意見書を出すよりも、むしろ今回の見直しの小委員会報告が我々としてはこれからの日本の雇用労働に与えるあるいは及ぼす影響は大きいと考えております。我々は我々自身が取りまとめた報
告に対して責任を果たさなければいけない。したがって将来の日本の雇用労働に対する責任を持てる報告にすべきである。
であるならば、少なくともこの内容は本審議会において最終的な取りまとめをされるわけですから、本審議会に対して少し見解を質す。もちろん、この審議会というものは会長の指揮のもとに運営されるわけですから、会長がどういう考え方をされるのか、それは会長の裁量権の範囲だろうと思っています。
ただ、いまお答えをいただいた内容は、いたるところに「行政は」という、要するに行政としての回答になっているわけです。もう少しここの部分については、公益の先生方、あるいは雇用主側の先生方も多くいらっしゃるわけですから少し議論を踏まえて、その問題についてさらに我々としては解明するべきところは解明するべきだろうと思っています。したがって、そういうような部
分について、今日出して、いま文書で回答というのも、物理的な問題としては出来ないことでありましょうから、別途の場できちんとした回答書として提出されることを我々としては要望するわけであります。いま、事務局のお話では前向きに検討されるというお話ですから、それはそれでよしとしますが、行政としてのことではなくて、もう少し本審議会の総意として、何らかの見解ある
いは見識が出せないものかということを要望したわけです。
○事務局
おっしゃるように、審議会としての回答と行政としての回答が若干混乱しているという点につきましては、後ほど整理をしたいと思います。それから、もう1つご理解いただきたいのは、確かにそういう意味では本審でもご議論があるわけですが、審議会の運営の慣行としていろいろな問題があるわけで、それを全部本審議会でやっていると収拾が付かないこともあるわけです。そういう観点から、それぞれ小委員会、部会を設けて十分にご議論いただいて、そこでまとまった報告を本審議会で見ていただいて、それを本審議会の建議とする慣行もあるわけですので、そこの点も併せてご理解いただきたいと思います。そういう観点からいきますと、ただいま会長からお話がありましたように、会長は小委員会に毎回参加しているわけではありませんので、そういう意味でご質問に対する回答の在り方をどうするか、ということも併せて検討させていただきたいと思います。
○委員
いまの、事務局答弁については、通例ですと否定しません。しかし、私たちは、この問題は非常に大きな内容を含んだものという認識をしております。また、同時に先程小委員会座長のほうから、小委員会報告をすることについて労働側は認めないとのお話がございました。率直に申し上げて、残念なことではありますけれども、数の力で本審議会に報告することが了承されたという背景もあるわけですので、従来の本審議会の運営とは異なった取扱いを我々としては求めている。その趣旨については、十分ご認識をいただければと考えています。
○委員
質問書の最初の「なぜ急ぐのか」という問題と、しばしば40回ないしは38回という回数の問題がいろいろ言われますので、その点についての考え方を少し言わせていただきたいと思います。確かに、40回にわたり小委員会をやりましたが、いま議論されていますように40回の大半は哲学論争だったと思います。あるいはものの考え方、そういうことに対する考え方のぶつけ合いをしたまま、それがまとまらない。2回の報告をされたと言っていますが、それは先へ進めるという意味で中間報告をしたわけであって、合意をされ、議論をされたことが整理をされて先へ進んだとは思っていませんし、我々から提起した問題が解明されて今日を迎えたということにはなっておりません。
特に、私どもが強く主張しましたのは、その中で言えば8年改正をしているわけです。その8年改正に基づいての検証なり実態把握なり、先程委員が言われたような状況が実態的にあるにもかかわらず、そのことを正確につかんだ上でどう対処するかという、対処法の問題についての議論が十分になされないまま事を進めるというところに大変問題があるのではないかと考えます。
もう1つは、先程の報告の中で言われていますように、ILO第181号条約の批准に係りますことを想定して、ネガティブリスト化の問題に対する議論をいたしました。これもある意味ではものの考え方、哲学論争と抱き合わせの議論だったと私は思います。この問題について、特にネガティブリスト化に伴う問題について言えば、従来の高度な、専門性に係る現行の問題との関係で言えば、新しく導入するであろう臨時的一時的な部分についてはむしろそれに限定して考えていくべきではないか。そういう制度設計の問題について十分議論をしてもらいたいし、そのことに対する考え方を十分述べて、そのことに対する答えも、結局は権利保護の問題も含めて、市場に委ねることに対する具体的な回答が示されないまま話が進んだと私は思っています。
ですから、今回言われているネガティブリスト化の問題というのは、健全な業法運営に係って規制の強化をどうしていくのか、あるいは、罰則の在り方の問題をどうしていくのか、ということも含めて制度設計をすべきであったと思います。そういうことについて十分な答えを出さないまま、なおかつ現状の検証もしないまま今日を迎える。我々としては、なぜそういうことをやらないま
ま先へ行くのかという疑問も含めて、「なぜ急ぐのか」ということを申し上げてきたわけです。このことについては、我々は終始変わらない形で申し上げてきておりますし、終始一貫してそのことを主張してきた。回数の問題だけいろいろ言われますと、我々が結論を先延ばしにしてきたような印象になりますので、そこのところは十分にご理解をいただきたいと思います。
○会長
私は別に、回数を強調したつもりはありません。繰り返し会議をされて、議論が行われたことを申し上げただけです。「議論が十分なされていない」とお考えになるのは、それはご意見として承っておきます。ただ、審議会の運営として、会長として申せば会議の議題として取り上げて、建議にまとめるということはどうかということであります。そして、あえて言えば、労働者代表委員から出されたのは基本的なポイントについての回答を求めるということでした。
しかも、それを今直ちに出すのは無理だろうから、文書にしてほしいというご要望だったわけです。その点について、事務局からは一応口頭でお話を申し上げ、これを文書化するについては事務局として文案を考えることを約束されたわけですから、ここで他にご意見がなければ、この問題に関してさらに立ち入った議論をしなければ先へ進めないということではちょっと困るのです。まだ議題もありますし、今の点でご了承をいただくわけにはまいりませんか。
○委員
先程労働側からそれぞれ出されていますように、今回の改正の問題は日本の労使慣行なり雇用慣行なり、雇用制度の在り方に大きく影響を与えていくことは間違いないだろうと思います。そして雇用安定に係ります問題あるいは労働条件に関する問題、保護に関する問題、こういう問題にすべて影響を与えているわけです。しかも、我々の求めておりますことは事業法で求めている限りにおいては限界があるのです。そういたしますと、本来は抜本的なところでの見直しも含めてやらなければならないものを、事業法の見直しの問題だけでこれを律しようとするところに問題があるわけですので、もっと広い意味での意見を聞きながら、それに向けての努力も含めてきちんとご議論いただきたいし、議論をすべき時間をほしいと私は思います。
○委員
この小委員会報告の「はじめに」の4のところに、「部分的には意見の隔たりがある」となっているわけです。この「部分的な隔たり」というのは、議論をすれば本当に解決できるのか、それともいつまでも隔たるのか。これについて、労働側が具体的に出しているような内容等について、どうするかという議論を煮詰めていけば、私はそこのところはお互いに歩み寄れるところが出てくると思います。しかしながら、いままで私どもが聞いている小委員会の状況からお伺いすると、1回出した案については一切変更されないという中での議論が推移しているとお伺いしているわけです。ですから、部分的だということであるならば、もう少し議論を継続させていただいて、先程から私どもが申し上げましたとおり、最終的には三者が歩み寄って結論を出すというところで是非お願い申し上げたい。そういう観点で、是非、もう少し議論を継続させていた
だきたいと思います。
○会長
ほかにご意見はありますか。
○委員
私も小委員会のメンバーではありませんので、小委員会の中身について理解出来ない部分がたくさんあります。今日の小委員会座長の報告も、概要の報告はありましたけれども、小委員会の経過の中身については省略をされました。よく読むと、やはり労働側の意見というのはこの中にかなりたくさんあるわけでして、これでは認めたくないということですが、労働側も内容として少し無理があるのではないかと思います。
○委員
先程事務局から縷々、行政としての考え方みたいなものを示されました。誤解しないで聞いていただきたいのですが、非常にきれいにできすぎていると思います。こんなきれいな実態ではないということを、我々はこれまでも強く指摘してきたわけです。
したがって、この内容だけで、我々の疑念する内容が晴れるということにはならない。もっともっと派遣の実態というのは泥沼化している。
会長もご案内のようにさまざまな違法派遣あるいは不法派遣、ピンハネというものがある。今年に入ってからでも、既に川崎でそうした事件が摘発されている。あるいは新しい、すれすれの状態が大手の派遣会社によって行われている。我々としては、こういうようなところをきちんと押さえておかなければいけない。そして、事業法である派遣であれば、それに対して責任を持てる形を
我々としては取らなくてはいけない。同時に、当然労働側でありますから、我々としてはそこに働くスタッフのすべての労働条件、基本的な権利、先程のお答えを聞いていますと、ILO第181号条約の第11条なり第12条が担保されているという表現がありましたが、本当にそうなのか。1つひとつ詰めて、我々はそうではないではないかと思います。それを具体的に、この中で指し示
してもらいたいということを強く指摘しているわけです。
そういう意味では、取扱いの部分もさることながら、この内容そのものについて我々としては全くいただける内容ではないと言わざるを得ない。したがって、先程から労働側の各委員から言われているように、もう少し本審議会の中で、それらについて共通の理解を得るためにも議論の場を担保してもらいたいということを言っているわけです。
○事務局
先程来、労働者代表委員からいろいろご指摘があります。ただ、先程私も申し上げましたように、いずれ当審議会においてこういう個別の問題について十分な議論をしなければならないわけですが、十分な議論をして、小委員会等で報告としてまとめられたものにつきましては、やはりそれを本審議会での報告あるいは建議という形で取りまとめるという、従来の考え方を踏襲させていただく必要があるのではないかと思います。ただし、今回、従来のさまざまな議論と違う問題があるので質問書という形で労働側は文書を提出された。私どもはその点は十分踏まえて、そこをどうするかという問題は、先程来ご指摘のありました点を検討するということを前提として、ただいま申し上げましたようなことでこの審議会としての取りまとめを終了させていただきたい。これで全部終わり、ということではもちろんないわけでして、検討はいろいろな面でやっていくということはあるわけですが、民需小委員会で昨年1月以来、ずっと議論してきた上で取りまとめていただきました報告につきましては、やはり今言ったようなことから本審議会としてもそういう形での取りまとめをいただきたい。ただし、それについて、労働側は「認められない」という意見も表明されているわけですから、当然、そういうことも踏まえて結論とすることでお願いしたいと思います。
○委員
先程も意見がございましたように、この間ずっと議論してきたのですが、この改正にあたっては「先に規制緩和ありき」というような状況でした。そういった日程の中で組み込まれたことなのですが、小委員会においても次に本審がある、というようなことが先に出ていたわけです。
先程、事務局からILO第181号条約第2条の趣旨を踏まえて、ネガティブリスト化という回答があったわけなのですが、この第2条では適用範囲に関する規定、とりわけ民間職業紹介所の運営の禁止に関する規定であって、全面的に自由化するものではないと思っております。だから、議論されてきた経過がずっとありますが、いちばん最初の原点で使用者側と労働者側の意見の相違があったというのは、ここに尽きると思うわけです。従って、この改正につきましては議論の継続をお願いしたいと思います。
○会長
今、事務局がおっしゃったように、回数を言うわけではないのですが、小委員会でこれだけ議論を重ねて、雇用主側にももちろん意見の違いがあって、逆に言えば小委員会報告の中に個別の反対意見なりがかなり綿密に書き込まれているわけです。そうすると、逆の言い方をすれば、小委員会で議論をしてきた回数ばかりが問題ではなく、基本的な問題が解決されていないということにな
って、小委員会報告としてまとめて出してきたものについては、今のお話で行くとこれをもう1回差し戻すことを要望しておられるように思うわけです。
ただ、それではどういうふうにやっていったら労使なりあるいは公益という三者の意見が収斂するのかということについて、逆に担保がないわけです。つまり、例えば労働者保護に関しては、基本的に労働者派遣法自体が労働者保護の趣旨にかなっていないとおっしゃいますが、いつでも、どの法律に関しても危険があるということはよくわかります。ですけど、経過報告をまとめるということに関して賛成できないし、もう1回審議をしようというような話ですが、小委員会で今まで回数を重ねてやってこられたことの実効がないので、もう1回差し戻して、本審で全部議論をやり直すということを労働側の委員の方々はおっしゃられているように思うのです。しかし、逆に言えば、労使が対立している場合に、その調整を公益がやるというのが三者構成の委員会の建前とすれば、公益の委員が努力してまとめていただいた、そして労使双方の反対論も入れた小委員会報告を、ここで労働側の委員としてはまとめ方にご不満はおありになるかもしれませんが、私どもの考えでは、小委員会報告をもう一遍小委員会に戻すということはできないと思います。このご質問の回答に関して、口頭だけではなくて文書化して出してほしいとの意見がございました。また、ご注意があったのは、事務局の説明が少しく行政側に偏っているということでした。以上2点に関しては、事務局からその点については認めますということが、第1点です。そして事務局がここでおっしゃったことをまとめて、事務局として労働側に文書で回答いたしますということを言われたわけですが、この2点に関して労働側としては、これも承知できないということになるのでしょうか。
○委員
文書をもって回答をいただけるということについて、前向きにご検討いただけるということで、そのことについては不満があるわけではございません。ただ問題は、先程事務局からお話をいただいた内容は、基本的にはこの報告の内容で、労働側の疑念については問題がないのではないかというスタンスでのお答えだと認識しています。会長が今お話された内容は、「不安がないわけではないけど」とおっしゃいました。私どもは、その不安がやはりあるのだと思うのです。したがって、その不安について事務局からお話された内容で、私どもはそれで一掃されるかどうかについてそれを是非、検討させていただきたい、こういう見解を持っているわけです。ですからもう少し、審議をさせていただけないかと要望しているわけです。
○委員
私は小委員会でのメンバーでもあるわけですが、率直に言って全部出たわけではございません。けじめ、けじめのところで何回か出させていただいて、今回この会議の前に行われた小委員会に出ていたのです。
小委員会で、これが30何回であろうと100回であろうと、回数の問題ではないということは労働側委員も言われました。この労働者派遣事業制度というものの見直しだけでは議論の結論が出せないような変化というものがいろいろある中で、例えば派遣の問題、請負の問題、出向の問題あるいは職業紹介の問題、そういうものがいろいろと絡んでくる中で、ぎりぎりのところで労働者派遣制度というものについてまとめようとしてきた小委員会の努力というものは、大変なものだと私は思いまして、これを一遍差し戻されてもまたこれから何回やっても、おそらくこの範囲の中でもってやろうと思ったら、これは進められないのではないかということがございまして、先程の小委員会で、反対ではあるけれども、これで答えとして本審に出そうということになったと私どもは理解しております。もう一度これを戻せというようなお話に関しては、これはちょっと私どもとしても、戻してもまた同じようなお話になってしまうのではないかと感ずるということだけ申し上げておきたいと思います。
○委員
私のほうから申し上げていいのかわかりませんが、小委員会報告としては確かに異例の報告だと思います。審議を重ねてこられて、ILO条約の問題もあるでしょうし、ここまできたわけで、一旦小委員会報告として出てきた以上は、今回労働側委員から出された質問に対して、文書によるのか何によるのか回答すること等も含めながら、それらの条件を含めてここで今日建議するかどうか、そこへ議論の中心を移して皆さんの全員のご意見を伺っていく。そういうことにしていかないと、この結論は出てこないのではないかと思います。
○会長
ありがとうございました。
○委員
今の委員の最後のところについて非常に重要だと思います。私たちは、先ず小委員会報告に反対ではないのです。認めないと言っているのです。ここをまず理解していただきたい。単なる反対ではなくて、中身についても認めない、出すことも認めない。
もう1つはこの質問に対して、我々の思っている疑念がある程度払拭できるような部分であれば、さらにそこの部分については内部で検討をし、そして日本の雇用に対する責任というものをある程度担保できるだろうということになりましょうが、今のお答えである限り、全くもって我々の疑念を払拭することにはならない。従って、我々としてはいま先生がおっしゃるように、次のテーマである建議に移したらどうかということ自身についても、私たちは認めるわけにはいかない。今日、この場で労働大臣への建議を仮にするとするならば、我々としては断固として認めないし、反対であるということを言わざるを得ません。
○会長
さっき、私は不安があると申しました。これはどの法律に関しても、それが実効力を持つか、あるいは予想されるマイナス面を持っているということはあるでしょうということを申し上げただけです。今ここで私が会長として申し上げたいのは、労働側の委員の皆さんが労働大臣に対して建議することについて認めないという意見をお持ちであるということは再三述べられて、リマークとして議事録にも記録されているところであるわけです。そしてご質問に対しては、先程事務局から話があったところに関して文書をもって回答を申し上げる。その時に、私も会長としてその文書の回答に参画する。つまり、事務局の作文ではないということをお約束します。
ただ、小委員会の報告に関しては、やはり逆に言えば現在の労働者派遣事業制度に関して、労働者側の皆さんがおっしゃっていたような問題点が吹き出ているということは、事実の報道として行われているわけですし、この小委員会報告をここで了承するということが当審議会で労働者派遣事業制度について今後もう一切審議をしないということではない。つまり今後において、本審でも議論をするということを考慮するということでいきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員
最後に一言、言わせていただきたいと思います。先程お話がございましたように、これは事業法の改正でやっていく限りにおいては、新しい状況の中で生まれてきたさまざまな課題でありますとか、あるいはILO第181号条約の精神、特に我々が言ってまいりました労働者の保護規定に係る問題を含めた権利の問題をどのように担保させるかということを考えるのに、非常に限定的にならざるを得ないし限界があるのです。ここをそのままにして事業法を見直すだけの問題を議論するというのは、大変問題のあるところだろうと思うのです。
そこで、我々が指摘してまいりました問題を総合的に組み込んだ議論にするには、この問題も含めた幅広い議論のできる場というものがなければ、解決しきれない問題だろうと思います。そういう時間が、さらにあってよろしいのではないかということを我々は言ってきたわけでありますので、そこのところも十分ご理解いただきながら、問題の取扱いについてお考えいただきたいということを最後に申し上げておきたいと思います。
○事務局
ただいまいろいろご意見があるわけでございますが、繰り返しになりますが、そういう諸々の問題もあるわけでございますから、そういうことも含めて昨年1月以来、小委員会で議論を重ねてきて、その報告が今回まとまった。そのまとまり方についてはここに一枚紙に書いてあるとおりのまとまり方でございます。そういうことは、本審議会においても従来の運営のあり方からいって、小委員会の報告を本審で建議するというあり方については、従来と同じような考え方で対処すべき問題ではないか、ただしそれについて、結論的にやはり同じようなご意見が再三にわたって表明されているわけでございまして、その点については本審の考え方としてもそういう整理をするということと、いま会長がおっしゃられたように今後、労働者派遣事業制度の問題についてやはり必要に応じて議論をしていく。こういうことも合わせて、そういう形で小委員会の報告についてこれを本審議会の建議という形でまとめていただければ、それについてそれぞれのお考えをいただけるのかということです。
労働側は建議することについても認められないというご意見でございますが、雇用主側は先程おっしゃられましたように、いままで議論してきたわけですから、これは建議としてそういう経緯を踏まえた建議を行うべきというご意見でございますが、全体としてそこのところをおまとめいただきたい。
○会長
私の名前で大臣に出す建議書には、労働者代表委員からは労働大臣に対して建議することについては認められないという意見が表明されたということを明記いたします。
ただ、やはり小委員会報告の趣旨に沿って、社会経済情勢の変化に応じて、労働者派遣事業制度そのものの改善を図らなければならないという現実もあることは事実なわけです。そのことに関して当審議会で、労働者派遣事業制度について必要な見直しを今後行う。それについて有効な方法を、これはまた皆さんとご相談して考えなければいけませんが、そういう形にいたしたいと思います。それでご了承をいただけないかという会長としての考えでございます。
○委員
労働側は、今日欠席をしています2人の委員を含めて、建議をすることについて反対であります。
○会長
先程は「反対」というのと「認められない」というのと使い分けておられたわけですが、「認められない」ということを文言としては謳いますが、いかがでございましょうか。いま文案を事務局のほうから配っていただきます。
○会長
以上のような形で、小委員会報告を大臣への建議として了承するということで、これをまとめたいと思います。よろしいでしょうか。
○会長
それでは、そういうことにさせていただいて、急ぎ、残りの課題に移りたいと思います。
次の議題は「緊急雇用開発プログラム」の実施についてです。これについて事務局よりお願いいたします。
○事務局
次の議題の「緊急雇用開発プログラム」の実施について、資料No3に従って説明させていただきます。
まず、ここでは政府の取りました総合経済対策の策定について触れております。去る4月24日に開かれました経済対策閣僚会議におきまして、減税、社会資本の整備、経済構造改革等といったことを柱といたします事業規模16兆円超の総合経済対策が決定されました。労働省関係といたしましては、資料No3にあるとおりの対策を打つことになりました。その実施に必要な補正予算
案といたしまして、これは5月11日に臨時閣議で決定し国会に提出しておりまして、3ページにありますように総額で約500億円の予算を計上しております。
労働省関係部分の対策につきましては、「緊急雇用開発プログラム」という形でとりまとめておりますので、その内容を説明させていただきます。
このプログラムは、4つの柱からなっています。1つが「雇用の維持安定対策」。2つ目が「離職者等への対策」。3つ目が「新規雇用創出対策」。4つ目が「勤労者への情報提供相談機能の充実強化等」といった柱からなっております。したがいまして、安定局関係業務を中心にご説明いたします。
第1点目につきましては、雇用調整助成金であるとか労働移動雇用安定助成金等、各種の助成金の助成率等の引上げといったものを内容といたしております。雇用調整助成金については161億円、後者の労働移動雇用安定助成金等の内容拡充について9億円といった形で予算を計上いたしております。なお、この予算の状況につきましては次の資料に触れております。
2点目の「離職者等の対策」につきましては、離職者等の早期の再就職を図るということを中心に手当てをしておりまして、その中でもホワイトカラー等といったものの雇用支援、このための推進、あるいはカウンセラーという手当てをするとともに、やはりこれに係る特定求職者雇用開発助成金の内容、要件の緩和、一部拡充といったようなことを内容としております。それぞれホワイトカラー関係であれば13億円、特定求職者であれば108億円といった内容になっています。
3点目の「新規雇用創出」ですが、これはベンチャー企業等の中小企業支援、これらを中心としておりまして、これに係る助成金の拡充が大きなものになっております。かかる予算10億円、あるいは地域雇用開発助成金、沖縄の若年者向けの助成金といったものを盛り込んでおりまして、これについては28億円といった内容になっています。
4つ目の「勤労者への情報提供相談機能の充実強化」につきましては、安定局関係部分は安定所におけるきめ細かな相談、的確な情報提供、さらには主要都市部で人銀を夜間等開行するための措置。あるいは各種助成金の周知広報といったような内容からなっております。
以上、概要ではありますが、今後の対策の中身でございます。
○会長
ありがとうございました。ご質問、ご意見等ありますか。よろしいですか。
○会長
それでは、これは了承いただけたとして扱わせていただくことにしたいと思います。
次の議題は、「緊急雇用開発プログラム」を実施するに当たって必要な改正となる「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」についてであります。これにつきまして事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
引き続き説明させていただきます。この関係の資料は資料No4、No5にわたっております。お諮りします内容は資料No4で、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」等でありますが、この中身につきましては資料No5で説明に当てたいと思いますので、資料No5をご覧いただければと思います。
この要綱で措置しようとしております内容は、大きく4つの柱からなっております。1つ目が先程申し上げました「緊急雇用開発プログラム」を実施するに当たり、特にその中でも助成金等の措置が必要となってまいりますので、それが実施可能となるための省令改正ということで、関係部分が直ることになって、1つ目は「雇用調整助成金制度の拡充」がございます。ここにつきましては助成率の引上げ等、1ページにございますように、例えば休業、出向であれば原則2分の1の助成率であったものを、3分の2に引き上げるといったような中身になっております。
2点目は「特定求職者雇用開発助成金制度の拡充」です。これは中高年層の再就職を主眼としておりますが、やはり対象者は現行では55歳以上となっておりますが、45歳まで引き下げて対象とする。その部分についての助成率を設定するといった内容です。
3点目は「地域雇用開発助成金制度の拡充」です。これにつきましては、地域における雇用を促すための助成金と設定されておりまして、これがこの事業を設置、整備した後に3年間にわたってやるというもともとの内容となっておりまして、それぞれの助成率が低減するようになっておりますが、その低減の度合いをいずれも低くすると言いますか、助成率を高めながら落としていくといったような内容で雇用の維持増を図ろうという内容になっております。
沖縄の若年者関係の助成金についても、先のものと考え方としては同じようになものになっていまして、助成率を引き上げる等ということで賃金助成、補助を通じて雇用を確保するといったような内容になっています。
なお、要綱のところでは日付けの部分が※で空白になっておりますが、これは補正予算に絡みまして、補正予算が成立した後、最終的に速やかに施行するということを予定しております関係上、ここを空白にしているという内容でございます。以上でございます。
○会長
ありがとうございました。この件に関しましては、審議会での審議に先立って雇用安定等事業部会で、予めご検討をいただいております。本日は主任委員ご欠席により、部会における検討結果について事務局から報告をお願いします。
○事務局
本件につきまして、本日開催されました雇用安定等事業部会において、全員一致で了承されましたことをご報告いたします。
○会長
ありがとうございました。何かこの件に関して、ご意見、ご質問等ございますか。
それではこれについて答申をいたしたいと思います。
○会長
今、お手元に配られましたとおりの答申文を、大臣宛に答申したいと思います。労働省案は妥当と認めるということですが、これでよろしいでしょうか。
○会長
ありがとうございました。
他に何かご意見、ご質問はございませんでしょうか。なければ、これで本日の審議会は終了したいと思います。
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(注)本文中に記載されている資料については労働省にて閲覧できます。 資料についての問い合わせは職業安定局庶務課 03−3593−1211(代)までお願いします。 |