第374回中央職業安定審議会 議事録

1 日 時:平成10年7月15日(水)18:00〜19:30
2 場 所:中央合同庁舎第5号館 労働省特別会議室(16階)
3 出席者: 〔委員〕公益代表西川会長 白井委員 小野委員 松本委員
  若菜委員 篠塚委員
雇用主代表 前田委員、菅野委員、指田委員 鈴木委員
労働者代表野田委員、久川委員 逢見委員 津田委員
〔事務局〕 征矢局長、戸苅次長、石本審議官、長谷川部長、太田雇用政策課長、
  森山庶務課長、松浦企画課長、稲田雇用保険課長
  梶田業務調整課長 小島産業雇用構造室長 東民間需給調整事業室長
4 議 題: (1) 産業構造転換雇用対策本部について
(2) 平成11年度職業安定局重点施策の考え方について
(3) 教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準について(諮問)
(4) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱(諮問)
(5) その他
5 議事経緯

○会長
 ただいまから、第374回中央職業安定審議会を始めさせていただきます。

(出席委員の確認)

 議事に先立ちまして、安定局幹部の人事異動がありましたので、事務局から紹介をお願いいたします。

○事務局

(人事異動の紹介)

○会長
 それでは、議事に入ります。最初の議題は「産業構造転換雇用対策本部について」です。これにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局
 資料−1で、「政府の産業構造転換雇用対策本部」についてご説明申し上げます。6月2日の雇用対策本部につきましては、先日の当審議会でご報告申し上げたところですが、その後、6月30日に第4回目の本部が開催されておりますので、その状況についてご報告申し上げます。資料については、基本的に資料No1から資料No5まで、対策本部の配付資料を中心にご説明申し上げます。6月30日のあと、特に地域関係で動きがありましたので、若干、資料に修正を加えておりますが、その点についてはまたその場面でご説明申し上げます。
 最初に、「最近の雇用失業情勢」ということで、資料No1です。これは、前回ご報告申し上げたところと変わった部分を中心に、ご説明申し上げたいと思います。2ページですが、「完全失業率」は4月の4.1%と同じ4.1%で5月の推移しております。「完全失業者数」につきましては、293万人ということで、前年同月差49万人の増です。「雇用者数」は、前年同月4月が32万人減でしたが27万人減で、4か月連続で減少ということです。4か月連続減少は、昭和50年第1次オイルショックの時以来です。「有効求人倍率」は0.02ポイント下がり0.53倍です。これも53年2月以来の低水準ということで、20年ぶりの水準です。ちなみに過去最低は53年1月の0.51倍です。
 3ページの「求職理由別の失業者の動向」は、基本的なものは前月と変わっておりません。前年と比べますと、非自発的理由による離職者が52万人から87万人と、35万人増ということです。前月ご報告したところでは、9月5月が50万人で10年5月が91万人と、41万人増ということで、相変わらず大幅な増です。また、自発的な理由も大体100万人前後ということで、これは昨年も同様ですが、高水準が続いているということです。
 4ページは、地域別の状況、ブロック別の失業率は4半期ごとですので、前回報告したことと変わっておりません。
 5ページの求人倍率、これは都道府県別に毎月出ますが、北海道、青森、南関東、近畿、高知、九州、こういう所が平均よりも低いという傾向は変わっておりません。
 6ページも先月報告したものです。
 7ページは、「産業計」の所で雇用者数が4か月連続の減少になったということと、建設業が5月はプラスに転じたということです。昨年11月からずっとマイナスで推移していたものですが、5月はプラスに転じたということで、やはり予算執行の前倒し等、建設業につきましては構造的な課題はあるわけですが、短期的にはそういう公共事業の施行推進の状況の影響が出てきているのではないかということです。製造業は、相変わらず厳しい状況が続いているということです。
 8ページ、9ページは、前回ご説明した状況です。
 10ページの「年齢別の雇用失業情勢」、11ページの「性別の雇用失業情勢」も大体、前回ご説明したような状況です。
 12ページ以下は、安定所別の数字がついているものです。資料−1は以上です。
 資料−2は、「地域産業雇用対策推進協議会」です。前回、対処方針の中で、国と地方との連携体制を十分とって行く必要があるということで、そのあと政府の関係省庁申合せの中で、ブロックの協議会をやっていこうという申合せがなされまして、そこにありますように8地域で6月29日から7月1日まで、3日間行われております。基本的には、労働省、通産省が事務局になり、国のブロック機関が出席し、各県の知事さん以下に出席していただき、雇用状 況なり経済状況、あるいは要望も含めてご意見を伺ったということで、そういう地域の状況を踏まえて、またきめ細かな対策を講じていくということです。
 資料−3は、「雇用情勢への当面の対処方針について」ということで、6月2日に対策本部で決定しましたので、その推進状況、フォローアップの状況です。大きな柱として「総合経済対策の強力な推進による内需拡大」ということで、これは前回6月2日のあと、6月17日に補正予算が成立したことを受けて、総合経済対策を雇用に着目してきめ細かく強力に実施していくということです。
 2つ目の柱の「雇用安定のための総合的支援策の推進」ということで、地域、業種、企業規模、年齢別の対策を進めるということです。その中で、地域の対策について、公共事業については可能な限りの施行の促進を行うということでしたが、4月末の契約率が国の事業については41.5%、都道府県の事業については28.7%と、従来で最も高くなっているということです。それから、地域雇用開発助成金の助成率額を6月18日から引き上げたということ。
 緊急雇用安定地域等の指定を速やかに行うということで、6月30日にこういうことになっております。この関係は資料−5ですが、「緊急雇用安定地域等の指定」ということで、7月7日にそれぞれ指定を行っております。緊急雇用安定地域については、5地域ということで、北海道の函館、旭川、釧路、青森の八戸、福岡県の久留米市が6月30日のあと7月7日に閣議決定を行って、政令で指定しております。「雇用機会増大促進地域」についても、やはり長崎県の3地域について、7月7日付で政令で閣議決定しております。
 「高度技能活用雇用安定地域」については、これは告示で決めておりますので同じく7月7日付で三重と岡山の2地域について、指定を行っております。
 資料−3ですが、そのほか地域対策としては、訓練の受け入れ枠を9,000人分に拡大したとか、委託訓練の受け入れ枠も5,000人分に拡大した。さらには求人開拓推進員を300人から500人に拡充して、求人開拓を強化したということがあります。
 (2)の「業種雇用対策」は、6月25日に雇用調整助成金の指定業種として19業種、特定雇用調整業種として4業種を追加指定したということです。この関係は資料−4の「特定雇用調整業種」として4業種を追加して、従来68業種でしたので72業種になっております。雇用調整助成金のほうは6月25日付で19業種指定して、従来が33業種でしたので、この時点で52業種になっておりますが、6月30日に1業種落ちておりますので、現時点では51業種です。資料−3の2ページの業種対策としては、建設業の雇用者が4万人増加しているということです。
 中小企業関係では、通産省を中心に貸し渋り対策を強力に進める。助成金については、中小企業に対しては高率助成となるように6月18日から適用しているということです。
 年齢別対策としましては、中高年対策として、雇入れ助成の特定求職者雇用開発助成金等の年齢要件を55歳以上から45歳以上に引き下げたということで、6月18日から適用しております。若年者対策として、特に新規学卒者等を対象とした就職面接会を6月までに全国で91回開催しています。さらに、7月から9月も80回開催するということです。
 2番目の所は、「新規産業の創出による雇用の拡大」ということで、「ベンチャー企業の育成等新規産業の創出」、「中小企業の新事業展開等」ということです。
 3番目は、先程申し上げました、全国8ブロックの協議会を開催したということです。ポイントだけ申し上げましたが、説明は以上です。

○会長
 この件に関しまして、ご意見、ご質問がありましたらどうぞ。よろしいですか。
 次の議題は、「平成11年度職業安定局重点施策の考え方」についてです。
 これにつきまして、事務局から説明をお願いします。

○事務局
 資料No2の「平成11年度職業安定局重点施策の考え方」で、ご説明申し上げます。現在、事務的に重点施策、新政策を検討しており、8月末の予算要求までに作業を進めていくという段階です。まだ検討を始めた段階で、粗々の骨子ですが、例年、審議会でご意見をお伺いしておりますので、このような骨子でご説明申し上げます。
 基本的には第1から第5までという柱になっております。
 第1は、今申し上げました、「現下の厳しい雇用失業情勢に対応した就職支援対策の推進」ということです。3つの柱立てがありますが、1つは「中高年離職者に対する再就職支援の推進」ということで、失業率から見ますと、まだ中高年は比較的低いのですが、やはりリストラ、解雇等で非常に離職者が増えてきている。求人倍率等を見ても、やはり中高年の方々は再就職が困難であり、非常に厳しい状況にあるので、再就職支援の推進を図っていく必要があるのではないかということです。1つはにあるように、従来以上に求人情報等の情報提供機能を充実させていきたいということです。
 また、従来もいろいろな形でやっていたのですが、で少し体系的に就職支援プログラムというような形で整備して中高年ホワイトカラーの離職者に対する支援ができないかということです。例えば、中高年を対象とした就職セミナーの実施とか、専門的なカウンセラーを設置して、職業指導、カウンセリングを実施する。短期職業講習を実施する。さらには就職面接会も積極的に開催する、ということで、それぞれを体系的にパッケージにして、能力開発とも関連させながら、中高年の方々の支援をしていきたいということです。個別に、相談の程度に応じて対策を考えていくということです。
 2つ目の柱は、「若年者雇用対策の推進」ということで、これは短期的に若年者、新卒者の就職環境が厳しくなってきているということも1点あります。それから、もう少し中期的に考えても、やっぱり構造的に失業率が上がってきている部分は若年者が非常に多いです。大体290万人いる失業者のうち、半分くらいが35歳未満ということで、構造的な失業率を押し上げている部分をどうするのかという、短期と中長期と両方の問題意識です。
 (1)は、「若年者の適職選択等の支援」ということで、今までもいくつか対策があったのですが、基本的に若年者はかなり就職環境もいいということで、学卒者中心であったわけですが、もう少し学卒者から幅を広げて、若年者の適職選択等の支援ができないかということです。これは、中高年と同様に、パッケージにして、情報提供とかカウンセリング機能の充実とか、職業意識啓発のためのセミナーとか、あるいは雇用管理の改善に向けた事業主の取組みに対する支援、さらにはインターンシップの事業の拡充なども組み合わせながら、若年者の適職選択等の支援ができないかということで、現在検討しているものです。
 (2)は、「新規学卒者等に対する就職支援対策の推進」ということです。学卒者の就職見込み状況はかなり厳しくなってきているということですので、学生職業センター等における情報提供なり、相談機能の充実ができないかということです。
 3は、「公共職業安定所等による円滑な労働移動等に対する支援」ということです。これは10年度から試行的に実施することとしておりますインターネットによる雇用情報の提供の拡充など、公共職業安定所における円滑な労働移動等に対する支援ができないかということです。
 4は、「緊急雇用開発プログラムの推進」ということで、当審議会でもご報告させていただきました緊急雇用開発プログラム、補正予算を組み6月18日から実施しているものです。この点につきましては、やはり経済よりも雇用のほうが半年から1年くらいは遅れていく、タイムラグがあるということです。
 しばらく雇用状況も厳しい状況が続くのではないかということで、今考えているのは、少なくとも平成11年度においても、9月くらいまで、半年くらいはこういう緊急雇用開発プログラムを継続して実施することが必要ではないかということです。この点については、12月の予算編成の段階で、政府の経済見通し等も出ますので、その中での雇用情勢を勘案しつつ、最終的には検討させていただきたいと思っています。現時点においては、半年くらい継続することが必要ではないかということで検討しているものです。
 第2の柱は、「中長期的な産業構造の変化等に対応した雇用対策の推進」ということで、少し中長期的な対策です。1つは、「魅力ある雇用の創出の実現」ということで、これもご報告申し上げました政府全体で15分野の雇用創出を進めていく。そのための経済構造改革も進めていくということになっております。その中で労働省としてもどういう形の支援ができるかということです。
 (1)は、「ベンチャー企業等中小企業の振興のための総合的な支援施策の展開」ということで、ベンチャー企業等の人材確保とか育成に対する支援施策の展開がさらに充実できないかということです。例えば、今「ベンチャー出会いの場」ということで、色々な情報提供とかマッチングの場の提供を行っておりますが、そういうものを増加させて、ベンチャー企業と求職者のマッチング機能を結び付けていく、そういう機能を強化できないかということです。さらには、雇用管理面での相談援助機能を、さらに強化できないかということです。
 (2)は、「失業者が開業する場合の支援策の創設」ということです。これは、自民党からも雇用対策の一環として問題提起がなされているもので、失業者が雇用される場合だけでなくて、自分で自営業をやっていく場合にも何らかの支援ができないかということです。今、雇用保険の中では「再就職手当」ということで、雇用だけでなくて自営業をしていく場合でも支援する制度はありますけれども、さらに開業したあとの支援策が何か組めないかということで、現在検討中のものです。基本的には雇用保険制度の中で、雇用保険の受給資格者が開業する場合に、企業家及びその雇い入れた労働者につきまして、その賃金の一部を助成するような支援ができないか。企業家につきまても、開業後は失業給付がなくなるわけですから、生活支援というような意味も込めて、企業家と雇い入れた労働者について賃金の一部助成ができないか、ということで検討を行っているものです。
 4は、「民間労働力需給システムの整備」ということで、このあともご議論いただくわけですが、労働者派遣事業制度の見直し、あるいは有料職業紹介事業制度の見直しなど、民間の労働力需給システムの整備を行っていくというものです。
 5は、「改正雇用保険法の円滑な実施」ということで、後ほどまたご説明がありますが、教育訓練給付の実施、あるいは介護休業給付の実施を行って行くというものす。
 第3の柱は、「アクティブエージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的な推進」ということです。1点目は、「65歳現役社会の実現に向けた施策の展開」ということで、従来から行っております「65歳現役社会推進会議」などを通じた国民的なコンセンサスの形成、あるい65歳までの継続雇用制度の導入促進を行っていくというものです。
 2つ目は、「多様な形態による雇用就業の促進」ということです。ニーズも多様化しているということで、雇用だけでなくて、就業も含め検討できないかということで、例えば高齢者の自営開業に対する支援策の推進、在宅就業等の推進ができないかということ。それから、シルバー人材センター事業の発展、拡充です。さらには、これは厚生省との連携の中で、高齢者のボランティア活動の促進、こういうものもできないかということを検討しているものです。
 第4の柱は、「誰もが安心して働くことのできる社会づくりのための施策の充実強化」です。1は、「障害者対策の積極的推進」ということです。前にもご報告申し上げましたが、今年から知的障害者の雇用義務化がなされて、法定雇用率も1.8%に引き上げられたわけです。引き続き重度の障害者、また、知的障害者の方々、精神障害者の方々、そういう雇用なり就業の難しい方に重点を置いて、対策を進めるということです。その中でも(5)で、特に「障害者が安心して働ける就業生活支援ネットワークの構築」ということで、これも厚生省との連携の中で、福祉施設等における就業支援機能と、雇用支援施設における生活支援機能の強化ができないかということです。特に重度の方、あるいは知的障害者の方、精神障害者の方々というのは、地域におけるサポート体制の充実が非常に重要ですので、地域において就業支援と生活支援等を一体的に提供するような拠点づくりのような試行ができないか、ということで検討しているものです。
 2、3、4は、特別コメントするほどの新規のものはありません。
 第5は、「職業安定体制の整備」ということで、特に4の所は「雇用促進事業団の廃止及び新法人の設立」ということです。これもご報告申し上げたところですが、昨年の6月6日の閣議決定で、雇用促進事業団につきましては、平成11年の通常国会において法律改正を行い、廃止するとなっています。そこで、職業能力開発関連業務、あるいは中小企業の人材確保等事業主支援業務、さらには勤労者財産形成促進業務につきましては、業務内容を精査したうえで新たに設立する法人に移管するということです。次期通常国会に関係法案を提出すべく、現在、新法人についての詰めを行っているという段階ですが、その方向で準備を進めるということです。
 まだ検討中ですので、粗々の柱ですが、以上です。

○会長
 どうもありがとうございました。この件に関して、ご意見、ご指摘等ありましたらどうぞ。いかがでしょうか。私から1つだけ、第2の1の(1)、「ベンチャー企業等中小企業の振興のための総合的な支援対策の展開」ということですが、「総合」といっても、労働省の場合は人材に関するというようなことですか。

○事務局
 基本的にはそういうことです。色々なベンチャー企業等中小企業の振興のための施策を通産省とも連携をとりながら行っておりまして、労働省の場合には、やはり今申し上げた人材確保なり、育成なり、人材面のものが中心となっております。(2)の場合でも、開業支援なども考えておるところですが、やはり賃金助成的なものが中心で、開業のための融資とか、そういうものはやっぱり中小企業庁の施策等がありますので、両者連携しながらやっていく部分が非常に多いと思います。

○委員
 実績については、もちろんデータがあるわけですから、その数字が出てくるわけですね。それぞれの対策を個々に伺うと、どれもこれも当然やっていただかなければいけないということは分かるのですが、大きく括って、こういう対策をすることによって、こういう雇用を生み出してという、1つの数値目標とまでは言わなくても、何かそういうものを伺わないと。率直に言って、どれも1つ1つは結構なことだなと思うのですが、全体として何か今の傾向から伸ばしてみて、このようになりそうだから、この辺のところでこういう対策を打つから、これくらいの雇用は何とかできるというような、そういうものというのはこれからおやりになることなのか、それとも今ある程度のものというのは我々にお示しいただけるのでしょうか。

○事務局
 数値目標という感じにはなかなかならないのですが、予算的なことを少し申し上げますと、予算はこれから詰めていくのですが、今の項目に対応して、10年度の予算がどういう形になっているかということを申し上げます。
 それから、助成金の予算なり、実績なりを、参考までにちょっと申し上げたいと思います。安定局予算は、全体としては大体3兆7,000億円くらいが10年度予算ですが、一般会計分を差し引くと、大体3兆3,000億円くらいになります。そのうち大部分、2兆4,000億円は雇用保険の給付関係です。それから、いわゆる助成金等の雇用安定事業等が5,000億円くらいという形になってまいります。若干ダブりがありますが第3の柱で立てる高齢者雇用対策の予算が大体1,500億円くらいです。第一の柱で立てている中高年対策とか若年者対策、これは事務的経費が中心ですので、額的には30億円くらいの額です。第2の柱で立てている「魅力ある雇用の創出の実現」、ベンチャー対策等が大体130億円です。失業なき労働移動のための対策が340億円です。地域の対策が140億円です。第3の柱が1,500億円です。第4の柱で障害者対策が320億円くらいです。2の「特別な配慮を必要とする人々への雇用対策」が320億円、両立支援対策が大体90億円くらいです。外国人対策が10数億円という状況です。
 助成金ですが、大きなものを申し上げますと、いちばん予算額が多いのは、特定求職者雇用開発助成金、雇入れ助成の部分です。10年度予算が大体800数十億円です。ただ、補正で45歳まで雇入れを下げて100億円ちょっと積んでいますので、全体では900数十億円くらいまで来ております。実績から申しますと、今直近で出ているのが8年度の実績ですが、大体900億円くらい出ておりますので、大体予算に見合うくらいの雇入れ助成が行われているということです。雇用調整助成金につきましては、10年度予算額が270億円くらいですが、これも補正を相当組んでおりますので、補正を入れますと400億円を超えております。実績は、8年度は大体300億円くらいですので、これも大体予算に見合った実績で出ております。
 額的に多いのは、高齢者関係です。これは若干、制度が変わりましたので単純な比較はできないのですが、10年度予算で申し上げますと、2つ新しくなった継続雇用の定着促進助成金と、暫定的にやっております高年齢者の多数雇用奨励金、これを2つ合わせると、大体700億円くらいの予算額です。実績から申し上げますと、大体8年度の実績で高年齢者多数雇用奨励金という、多数の高齢者を雇った場合の奨励金が700億円くらいありますので、これも大体予算見合いくらいの実績になっております。
 地域の雇用開発助成金、これが10年度予算で70億円くらいの予算を組んでおりますが、これも補正を組みましたので大体100億円くらいになっております。実績から申し上げますと、8年度が90数億円ですので、大体これも実績の見合いの部分が出ております。
 労働移動安定助成金という、失業なき労働移動の関係の助成金があります。これが10年度予算が50億円くらいです。8年度の実績が20数億円です。これはちょっと、まだ半分位の実績です。これも補正で組んでいますので、若干積み増しをしております。数値目標ということではないのですが、予算額なり、助成金の実績は、今申し上げたような状況です。

○委員
 今伺っていると、大雑把な数字で3兆4,000億円くらいにある中で2兆4,000億円というのはむしろ雇用保険関係です。ということは、これはある意味では後ろ向きなお金ですね。後ろ向きというと大変失礼ですが、積極的に新しいものにというお金とは、ちょっと違うわけですよね。困ったところで使用するという。そうすると、新しいものをこれからつくっていこうという第2の中長期的な産業構造の変化等に対する雇用、これは例えば通産その他の省で一緒につくっていかなければいけないのでしょうか。そこら辺のところでの2に対するようなものというのは、労働省さんとしてはわかりましたけれども、他との関連において、どういう形で連絡なり、あるいは労働省さんとしてもつかんでおられるものがあるのかどうか、ということをちょっと伺えますか。

○事務局
 特に雇用創出というか、中小企業支援関係は、通産省との連携が重要だと思いますので、日常的に通産省と連携をとりながらやっておりまして、特に先程申し上げました「ベンチャー出会いの場」という情報提供、マッチングの場の場合は、通産省と共催のような形で、通産省の持っている融資とか税制とか、いろいろな相談、援助、そういう業務と、私どもの持っている人材確保、育成の業務、そういうものを両者、総合的に、体系的に提供ができるような仕組みをとっております。それから、いろいろな形の政策も、通産省と労働省とで次官をトップにした産業労働問題連絡協議会という場もありまして、そういう場も通じて、政策の協議も行っているという状況です。

○委員
 どうもありがとうございました。

○委員
 行政としては、当然あらゆる方向に予算をお使いになるのでしょう。例えば1企業として考えた場合に、例えば第1の1の2というのは、企業としては矛盾するわけです。中高年の雇用の場を確保しようとすると、若年層は採用できない。若年層を採用しようとすると、中高年をリストラしなければならない。こういうのは現実の問題なのです。
 つまり、企業の受け皿は乗らないのです。そうした場合に、もちろん、それから落ちた人たちに対するいろいろな救済策はお手当てしていただかなければなりません。お願いしたいのは、やっぱり第2の受け皿を広げるということについて、行政全体での力の入れ方をより一層やっていただけたらと、このように思っております。受け皿がいっぱいですから、第2について、ひとつ重点的にお願いをしたいと、このように思います。

○事務局
 おっしゃるとおりで、政府の対策本部での基本的な考え方も、やはりいわゆる狭義の雇用対策で、労働力需要を生み出すということはなかなか難しいわけです。
 やはり労働力需要を生み出すためには経済対策、それから中長期的には雇用創出。そのためには、やはり経済構造改革なり、いろいろな改革を進める中で環境を整備し、民間活力を活かして雇用創出をやっていくということです。それは政府全体の中での取り組み、労働省の分野でまた取り組んでいく、ということになると思います。

○委員
 よろしくお願いいたします。

○委員
 いろいろな重点施策は、もちろん大変重要なものであると思うのです。ごく大雑把な計算をして、今GDPが500兆円くらいです。就業者数は大体6,500万人。それを割り算すると、1人当たり大体770万円くらいなのです。
 ですから、失業者が大体300万人いるわけですが、もしみんな仕事を得たとしたら、770万円に300万人を掛けると23兆円という非常に大きな額なのです。先程の資料No1、これを見ると、非自発的な理由による離職が約90万人。つまり300万人失業して、3分の1が非自発的離職です。だから、23兆円の3分の1というと7兆円ちょっとでしょう。つまり、非自発的離職が生ずることによって、7兆円いくらかの国民所得を失っているわけです。こういうものを見ると、やはり失業というのは、社会にとって最大の非効率であるということが大変重要だと思うのです。仮に23兆円の3分の1、つまり約7兆円です。7兆円のさらに半分とっても3兆5,000億円でしょう。先程の重複を抜いた10年度の予算が3兆4,000億円というのですから、大体それに当たるわけです。
 そういうことを考えますと、こういう労働省が用意なさったいろいろな雇用対策というのはもちろん重要で、それを否定するつもりはないのですが、やはり私はマクロ政策について、労働省やまたその幹部の方々、労働大臣とか幹部の方々にもっと発言なさってほしい。あるいは発言なさっているかもしれないのですが、どうも新聞なんかにはあまり出ていないように思うのです。ですから、もっとマクロ政策に関してご発言をいただいて、もともとこういう政策がなしに済ませることができればいちばんいいわけですから、そういうことをちょっとお願いいたしたいと思います。

○事務局
 おっしゃるとおりで、実は私も労働大臣も、閣議なり記者会見なり、あらゆる場でやはりマクロの経済対策が重要であるという形で発言しておりまして、狭義の雇用対策というのは、いわば応急措置的な部分もある。それはそれできちっと手当てしてやっていくことが必要ですけれども、やはり今のマクロの経済対策、不良債権処理の問題、あるいは金融の問題、そういうものをきちっと整理する中で構造改革を進め、マクロの経済対策、財政政策、金融政策、それをきちっとすることが大事であるということを発言しておりまして、その中での雇用対策ということです。

○委員
 この平成11年度の予算をつくる時の前提として、失業率はどの程度の規模に置いているのでしょうか。

○事務局
 予算要求はこれから詰めていきますので、最後の12月の段階、政府見通しの段階で翌年度の失業率を見通して汲んでいくということですので、今の時点で来年度の失業率を具体的にいくつという形で見込んでのものではないのです。
 基本的には、今の総合経済対策が大体GDPの効果で2.0%くらい押し上げるというのが経済企画庁の試算です。それで、一定の雇用創出効果、この前も説明をさせていただいたかと思いますが、大体雇用弾性値が0.3から0.7というと、30万から70万くらいの雇用創出効果がある。ただ、それによって、さらに失業者がでてくる分が相殺されますので、今後の雇用失業情勢をどう見込むかというのは、なかなか難しい面があるので最終的には12月の段階で政府の経済見通しを判断しつつ、予算も最終的に固めるということになります。ただ、私どもとしても、やはり当面はある程度厳しい状況が続くということを考えつつ、政策なりを検討していくことは必要ではないかと。

○委員
 現在、各民間なんかの予測でも、現在の財政、大型支出が出ても、そんなに大きく実質GDPを押し上げる効果はないと出ていますので、足下自身が非常に落ち込んでいますから、やはりこの11年度の重点施策をする時も、もちろん計画をベースにしながら立てなくてはならないのはわかっていますけれどももう少し重点的にはそこの失業というところにかなりウエイトを置いて、本当に重点的にやっていただかないと、かなり厳しい局面に入っていると思うのです。以上についてをちょっとお願いしたいと思います。

○会長
 それでは、以上のご意見を踏まえて、来年度の対策に考慮いただくことにします。次の議題に入りたいと思います。「教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準」についてです。これにつきましては、審議会での審議に先立ち予め雇用保険部会にてご検討いただいております。本日は主任委員はご欠席ですので、部会における検討結果も含め、事務局より説明をお願いします。

○事務局
 私のほうから、本日の諮問事項である「教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準(案)」について、ご説明させていただきます。資料No3と資料No4がその関係です。教育訓練給付金については、通常国会における雇用保険法の改正で新設されたもので、12月1日から施行されるということです。円滑に施行する必要があると思って、10月にも対象となる教育訓練の指定ができるようにしたいと、このように考えております。労働大臣が指定する教育訓練ということになりますから、そのためには早急に指定作業を開始したいということで、本日この指定基準についてお諮りしているわけです。この指定基準については、6月15日に開催されました本審議会において、正式な諮問に先立ち、雇用保険部会のほうでまずご検討いただくと、こういうことでご了解いただいております。雇用保険部会のほうでは6月23日に開催され、ご了解いただいたものです。
 資料No4で「教育訓練給付金制度の施行について」ということでご説明させていただいて、指定基準のご説明をさせていただきたいと思います。この、「教育訓練給付金制度の施行について」というものですが、この内容そのものは一部省令で規定するものが入っておりますので、まだ審議会のほうにはお話していないものもありますが、雇用保険部会のほうで併せてご説明させていただき、全体としてご議論いただいたものです。
 受給要件ですが、教育訓練給付については、にありますように、現在雇用されている方、または離職された方(1年以内の方)が労働大臣が指定する教育訓練を受け、修了した場合、この場合であって、支給要件期間、単純に言えば今までの被保険者期間が5年以上ある時、この時に支給するというものです。なお、一旦支給を受けた場合には、それから5年経った後にもう一度支給が可能になると、こういう制度になっております。
 申し上げましたとおり、労働大臣が教育訓練を指定しますので、その指定基準が要るわけです。指定する教育訓練については、官報で公示をすることを考えておりまして、個々のコースごとに通学、通信、実施する者の名称、所在地、教育訓練の名称等を公示することとしております。指定については3年ごとに更新するというものにしております。
 支給する額ですが、このような教育訓練にかかわる入学料及び受講料の8割に相当する額としており、上限が20万円、下限が8,000円、これは8割ですので、後ほどご説明いたしますが、下限の場合、入学料及び受講料の合計が1万円以上のものを対象として指定したいと考えている関係で8,000円となっております。
 支給の申請手続としては、給付の支給を受けようとする方々が教育訓練修了後に所定の申請書に、さらに受講を修了したこと、また負担した費用の額、それぞれ証明する書類を添えていただいて、住所または居所を管轄する公共職業安定所のほうに提出していただくというものです。
 このような教育訓練給付ですが、その指定基準については資料No3の諮問文の2枚目にあります。これは大きく2つに分かれております。1は、教育訓練を実施する者の要件です。2は、教育訓練そのものについてです。教育訓練を実施する者の要件については、(1)、(2)、(3)と分かれておりますが、(1)、(2)はそれぞれの者の1つの適切な訓練を実施できるために備えていただく要件です。
 (1)が「当該教育訓練を継続的に安定して遂行する能力を有するものであること」、(2)が「当該教育訓練を適切に実施するための組織、設備を有するものであること」、こういう方々を対象とするということです。(3)といたしまして、これは雇用保険の制度上給付するものですので、教育訓練給金制度の実施に協力をしていただきたいということです。
 2番目に教育訓練の内容です。この教育訓練給付については、労働者の職業能力の開発及び向上、こういう観点から行う教育訓練です。当然、雇用の安定及び職員の促進を図るために必要ということで行うものです。非常に幅広い教育訓練が対象となるものです。しかしながら、ここにあるイ、ロ、ハのようなものは対象にならないと、このように考えております。まずイとして、「趣味的又は教養的な教育訓練」です。これは職業に必要なものとしては相応しくないのではないかということです。ロとして、「入門的又は基礎的な水準の教育訓練」です。職業に必要な能力という観点からいった場合には、入門的又は基礎的なものとしては、これは給付の対象としなくてもいいだろうと考えております。ハとして、この要件は、一般に職業に関する免許資格なり、検定なり、さまざまなものがあるわけです。例えば、そういうものの準備のためのものとか、いろいろなものがあるわけです。そのようなものの中には、こう言ったらやっている方に失礼かもしれませんが、いわゆる資格商法と言われる、商売を目的にして、実際に職業能力の開発及び向上という観点よりも儲け第一というものがあるわけで、そういうものはこの対象とするのは適切でない、と考えているものです。
 (2)は期間です。当然、課程なり、期間、時間というのが非常に重要な要素ですので、掲げているわけです。原則として、イ、通学制の場合には、1か月以上1年以内であって、かつ、受講期間が50時間以上であるもの。ロ、通信制のものとしては、3か月以上1年以内と考えております。これについては、今まで既に同様の能力開発の関係で、中高受講奨励金というものがあり、これが3か月以上1年以内、受講期間50時間以上という形で今まで実施してまいりました。今回、この教育訓練給付を指定する基準を考えるに当たり、特に短期集中型のものをどうするかという議論がありました。受講時間50時間以上ということで考えた場合に、3か月必要であるかどうかということがあり、1か月でも可能だということで、それは幅広く見ていこうということで、通学制の3か月の部分を1か月まで広げたものです。
 (3)の「開始及び修了」です。「当該教育訓練について、開始時期を明確にするものであること」。これは、教育訓練については、例えば先程申し上げましたように、要件期間として5年というようなものがあります。この場合、当然開始時期をもって図ってまいりますので、開始時期が明確にされていないと給付がなかなかできないという面があります。ロとして、「当該教育訓練について、その受講が適切になされたことを確認し、修了させるものであること」としております。これは教育訓練給付の要件としても、法律上、修了が要件になっておりますので、その点が確認できるということを定めたものです。通常、教育訓練機関のほうで適切に修了確認を行っていただき、修了証の発行をお願いする、こういう形になると思っております。ただ、修了といった場合に、適切に修了という要件を形式的に考えると、実質的に教育訓練としての効果は既に十分あるにもかかわらず、修了認定されずということも考えられますので、ここは労働者の事情も勘案して、実質的な判断をしていきたいと考えております。
 (4)の「指導者」、(5)の「教材」です。「当該教育訓練について、適切に指導することができる指導者を有すると認められるもの」。教材については、「当該教育訓練の機材が当該教育訓練の内容等に照らし、適正なものであること」。指導者それぞれについては、その訓練が実際に行える方。機材、教材についても、当然その教育訓練の内容に相応しいのであることをお願いしたいということです。
 (6)の「実績」です。「当該教育訓練と同じ課程の教育訓練」、原則として実施された、そういう実績がある者ということを考えております。この教育訓練の内容については、比較的幅広いものになる。つまり、受講される労働者の方々が自ら選択、主体的に考えられるものですので、その内容については、どちらかといえば幅広いものになると考えております。そうなった場合に、指定のほうもそれを受けて、どちらかというと幅広に考えておりますので、その内容についての一定の担保は、やはり実績ということもみていかなければならないのではないかということで、実績要件を入れております。
 (7)に「開放性」という要件を入れております。内容は、「当該教育訓練の受講に関し、広く労働者一般を対象としたものであり、受講者の年齢、性別等に係る不合理な制限を設けているものではないこと」としております。一般の企業内のみの労働者を対象にした訓練なり、企業グループのみを対象にした訓練というのは除くという意味です。
 (8)の「費用」ですが、「当該教育訓練に係る入学料及び受講料の合計額が1万円以上であること」。これは、どちらかといえば、このような教育訓練にかかる入学料及び受講料というものは、当然1万円以上かかるものと思っております。しかしながら非常に幅広いものですので、それは低額なものもあろうかとは思います。しかしながら、教育訓練の効果なり、保険としての支給ということを考え合わせれば、あまり低額のものについては支給の対象にする必要がないのではないか、と考えております。ロですが、その費用の関係です。「当該教育訓練に係る受講料その他受講者の納入すべき費用が、当該教育訓練を運営するために必要な範囲内で合理的に算定した額であること」としております。これは、当然、民間で行われる教育訓練の場合様々なものがあります。高いものもあれば安いものもありますが、非常に高額なものの中には、その教育訓練ということを名目にして、例えばパソコン等を売るというような目的のものが中にはあるわけです。そういうものは不適切だということで、そういうものは外したいと、このように考えておるものです。
 以上、簡単ですが、ご説明申し上げました。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○会長
 今事務局からご報告をいただきました。これに関してご意見、ご質問がありましたらどうぞ。

○委員
 今ご説明のありました「開始及び修了」の関係です。その中で、ここの文言には書かれていない、いわゆる実質的な対応をしていくというようなお話があったことについては、我々としては支持できると考えているわけです。ただ、問題は実質的な対応をするというような中身というのですか、あるいは基準というのですか、そういうのはどこにお書きになるのか。そこだけ、1点伺いたいと思います。

○事務局
 今申し上げたとおり、この基準そのものは、基準ということで明らかにいたしまして、それぞれ教育訓練を実施する方々から、実施上申請という形をとっていただくことになると思っております。当然、その際に今申し上げました修了というようなことについては、内容を明らかにしていただかないと分からないわけです。具体的にいいますと、それぞれについて修了要件をこと細かく云々というのは、いろいろな場合がありますので書きようが難しいので、実質的にという形で、その基準の内容を解説するような形で明らかにしたいと思っております。

○委員
 ここの点は、特に先ほどのお話にもありましたように、かなり頻繁な労働力の移動というのがありますし、そういうことをある程度きちっと考慮した施策というものが必要だろうと思いますので、その点についての運用面での弾力性というものを、特に要望しておきたいと思います。

○委員
 教育訓練の内容なのですが、ここに書かれていますように、非常に弾力的にわりと幅広くやっていて、あまり細かく業種、職種の指定をしないという、その趣旨には賛成です。賛成したうえでなのですが、これから非常に働く場所に限定が出てきたり、失業している期間が長引いたりすることが考えられますので、教育訓練を受けたからといって、すぐ何か目的があって仕事に就ける人ばかりではないと思うのです。そうすると、かなり長期的な視点にわたって、一応、いま取っておこうと思って、その本人にとっては、自分はこれは教育訓練だと思って、例えば英会話の点数を上げるTOEICとか、運転免許を取っておこうとか、そういうものに関して本人が行った時に、「いや、これはだめですよ」とか、裁量がそこでいろいろ働かなければいけません。あまり広く、自由にしたことによって、それを受けようとする者と役所の側とでミスマッチがないように、やっぱり何かある程度、もう少し排除するものとか、何かがないと私はちょっと不安なのですが、その点はいかがですか。

○事務局
 まず1つの形としては、指定基準はどうしても何らかの曖昧さが出てくるものです。基本的には幅広に見ていきたい。職業能力という観点において、意味があるものであれば幅広に見ていきたいと思っております。そこで、一応、出てきたものについて、先ほどもちょっとご説明いたしましたが、官報で告示するという形で、それぞれのコース、すべてのコースになるわけですが、おそらく何千という数になって、いったいいくらになるかなと思っておりますが、それを全部明らかにしますので、一応、見ていただければ受けられるかどうかはまず分かる。そういう意味でのトラブルはないかと思います。ただ、もちろんその内容について、これを受けたいのにこれがないということが当然あります。そういういろいろなお話がありましたら、そこはその内容を聞かせていただいて、対応していかなければならないのではないか、と思っております。

○会長
 ご質問等、これ以上なければ、「教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準」については妥当ということで、答申をいたしたいと思います。答申文については、ただいまからお配りいたします案のとおりにさせていただきたいと思います。

(答申文(案)配布)

○会長
 今お手元に届いたとおり、労働省案は概ね妥当と認めるということで答申をいたしたいと思います。よろしいですか。

(了承)

○会長
 どうもありがとうございました。次の議題は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」についてです。これについて、事務局から説明をお願い致します。

○事務局
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱の諮問について、資料No5でご説明させていただきます。1枚目は諮問文ということになっております。先般5月14日に当審議会から労働大臣あてご建議をいただき、その建議に基づき法律案要綱を作成して、今日お諮りしたいということです。
 法律案要綱は、諮問文の別紙ということになっておりますので、2枚目からご説明させていただきたいと思います。第一は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正」です。一は「業務の範囲」です。(一)は「何人も、次のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行ってはならないものとすること」ということとし、イとして「港湾運送業務」。ロとして「建設業務」を挙げています。これらは現行の労働者派遣法においても除外ということになっているところです。ハは「警備業法第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として命令で定める業務」ということです。民需小委の中でご議論がありましたのは、今後、法律が施行され弊害が生じた場合に、法律改正ということでなくて適宜対処できるように「命令で定める」ということにしております。当然のことながら、(二)でこの「命令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとすること」ということになっております。
 二は「許可等の手続きの簡素化等」です。(一)は「一般労働者派遣事業の許可の申請書及び特定労働者派遣事業の届出書の記載事項の簡素化」ということです。「一般労働者派遣事業の許可の申請書及び特定労働者派遣事業の届出書の記載事項のうち事業対象業務の種類については、記載を要しないものとすること」ということです。今まではポジティブリストということで、労働者派遣事業ができる業務として政令において26の業務を書いてあったわけですが、今後は一定のネガティブリスト以外は労働者派遣事業ができるということになりますので、当然のことすが、記載を要しないということになるわけです。
 (二)は「一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の欠格事由の追加」です。「次に掲げる者を一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の欠格事由として追加するものとすること」ということとし、 「次に掲げる者」として、まず、イとして「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により、又は刑法の傷害等の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者」を挙げています。現在の制度においても、禁固以上の刑に処せられた者については欠格事由ということで規定があるわけですが、労働者派遣事業の対象業務が拡がるということですので、罰金の刑に処せられた者であってもいろいろな問題が生じる場合がありますので、そこを新たに欠格事由として追加するということです。
 次にロとして「健康保険法、船員保険法、労働者災害補償保険法、厚生年金保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律又は雇用保険法の一定の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者」を挙げています。特に社会保険の適用の関係について、派遣労働が断続的であるということで、いろいろ問題が生じておるわけですが、その適用のあり方なり運用のあり方というものは、各々の法律の定めるところによるわけです。労働者派遣法としては、このような広義の社会保険、労働保険等について、罰金の刑に処せられた者については、それも欠格事由とする。あるいは、現在許可を受けて営業している者がそういうことになれば、場合によっては許可の取消事由に該当するということです。
 最近、こういった罰金の刑に処せられた例をいいますと、厚生年金保険法の関係で、バブルの関係で大阪のある会社、ある病院などが事例として挙げられます。
 (三)は「一般労働者派遣事業の許可の基準の見直し」です。「一般労働者派遣事業の許可の基準のうち、労働力の需給の適正な調整の促進のために必要かつ適切であることについて、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものでないことに限定するものとすること」。括弧として「雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合として命令で定める場合において行われるものを除く」ということです。現在、労働力の需給調整に係る許可の基準は法律にあるわけですが、労働者派遣事業の実施が労働力の需給の適正な調整のために必要であり、かつ適切であることというような、大きな概括的規定になっておりますが、現行においてもその基準に専ら労働力派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるものは該当しません。それから、現行の労働者派遣法の第48条第2項の基準に基づき、そういったものが実際行われている場合には、労働大臣は勧告することができることとなっています。
 そういったものを、入口と後ろ、両方で規制をしようということです。括弧の「命令で定める場合」の「命令」ですが、現行の第48条第2項においても、派遣労働者のうちの30%以上が60歳以上の者であるということであれば、それは特例として高齢者の就業を促進するということで、それは除くということになっております。
 (四)は「労働者派遣事業に係る変更の手続きの簡素化」です。「派遣元事業主が事業所の所在地を変更しようとするときは、遅滞なくその旨を労働大臣に届け出るものとし、労働大臣の許可を受けること又はあらかじめ労働大臣に届け出ることを要しないものとすること」ということで、一般又は特定の労働者派遣事業を行っている者が事業所の所在地を変更する場合に、事前に届け出る、あるいは許可を受けなければならないというようなことにしていたのを事後に延滞なく届け出ていただければいいということに変更いたしております。
 三は「労働者派遣の期間等」です。(一)は「労働者派遣の期間」で「派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供を受けたならば(二)に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行ってはならないものとすること」ということで、(二)というのは、派遣先は1年を超えて労働者派遣を受けてはならないということですから、派遣元事業主は1年を超えて労働者派遣を行ってはならないということです。
 (二)は「労働者派遣の役務の提供を受ける期間」です。「派遣先は、同一の業務(当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務であって、次に掲げる業務以外のものをいう。)について、派遣元事業主から一年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとすること」です。派遣元事業主と派遣先の両方について1年を超えて労働者派遣をしてはならない又は派遣を受けてはならないという形で規定をしています。ただし、例外があり、イは「次の(イ)又は(ロ)に該当する業務であって、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして命令で定める業務」です。(イ)、(ロ)とありますが、これは現行の26業務に当たるようなものです。これは1年を超えて行ってもいいということです。
 ロは「事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了することが予定されているもの」です。いわゆるプロジェクト等で一定の期間内に完了することが予定されているといった場合には、1年の規定にかかわらずできます、という規定です。ハは「派遣先に雇用される労働者が産前産後休業及び育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として命令で定める場合における当該労働者の業務」です。法律上、育児休業については、1年ということになっているわけですが、今回、産前産後休業も含めるということで、民需小委の中でご結論をいただいております。そうしますと、産前産後休業の部分が飛び出してしまいますので、そのことを担保するたの規定です。それから、「命令で定める場合」とありますが、例えば1月に育児休業が切れたとしても、保育園等の関係で3月31日まで育児休業をしてもいいですよ、という労使間の協定がある場合がありますので、 今後、民需小委の中でご議論いただきますが、そういったケースがあれば、そういったものをここに含めていく、ということで考えております。
 (三)は「派遣先が(二)に抵触することとなる最初の日の通知」です。「派遣先は、派遣元事業主と新たな労働者派遣契約を締結するに当たっては、あらかじめ、当該派遣元事業主に対し、同一の業務について継続して労働者派遣の役務の提供を受けたならば(二)に抵触することとなる最初の日を通知しなければならないものとすること」です。労働者派遣の期間は1年までということですので、その1年の最初の日はいつであるか、いつその1年を超える日になるか、これを通知しなければならないということです。
 (四)は「労働大臣は、(二)のイ又はハの命令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとすること」です。
 (五)は「派遣労働者の雇用」です。「その指揮命令の下に同一の派遣労働者を同一の業務に継続して一年間従事させた派遣先は、その同一の業務に引き続き労働者を従事させる必要がある場合であってその派遣労働者がその派遣先に雇用されてその業務に従事することを希望するときは、その派遣労働者を雇い入れるように努めなければならないものとすること」です。1年を超えて派遣労働者を受け入れている場合であれば、その業務について、本人がその派遣先に雇用されて従事することを希望する場合は、派遣先は、その派遣労働者を雇用するように努めてくださいという、雇用の努力義務の規定です。
 (六)は「公表等」です。「労働大臣は、(二)に違反している者に対し、指導又は助言をした場合において、その者がなお(二)に違反しており、又は 違反するおそれがあると認めるときは、当該者に対し、(二)に違反する派遣就業を是正するために必要な措置又は当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができるものとし、これに従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすること」です。1年を超えて労働者派遣を受けている場合であって、雇用をしないという時には、労働者派遣を受けるのをやめるか雇用するかの勧告をいたします。その勧告を何回やるかというのは今後またご議論いただくことになるわけですが、勧告に従わなかった場合には公表をしていくということです。
 四は「派遣労働者の就業条件の確保のための措置」です。(一)は「労働大臣に対する申告」です。イは「労働者派遣をする事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、派遣労働者は、その事実を労働大臣に申告することができるものとすること」です。派遣就業が大きく拡がることになりますので、申告ができるという規定を新たに設けるものです。現在、労働基準法にも「申告できる」という規定がありますが、労働基準法では対象とならない労働者派遣法の分野もありますので、それも含めてできるということにすることを考えているところです。ロは「労働者派遣をする事業主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者は、イの申告をしたことを理由として、派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとすること」ということで、不利益取扱いの禁止規定です。
 (二)は「相談及び援助」です。「公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者の相談に応じ、及び必要な助言その他の援助を行うものができるものとすること」です。派遣労働をめぐり苦情処理等いろいろな問題がありますので、それを解決するための機能の1つとして、公共職業安定所が相談及び助言その他の援助を行うという規定です。
 (三)は「秘密の厳守」です。「派遣元事業主等は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らしてはならないものとすること。労働者派遣事業を行わなくなった後においても同様とするものとすること」です。派遣労働者の仕事上以外の個人的な秘密が、派遣先の漏れているということがある、あるいは新聞等でご存じのように、某派遣会社の9万人分のデータが流出したというような、あのケースは派遣会社が積極的にやったわけではないのですが、そういった事態がありますので、秘密の厳守の規定をおくということです。そこで「派遣元事業主等」とありますのは、例えば従業員等が積極的に関与した場合を含めるつもりです。
 五は「罰則等」です。「罰則その他所要の規定の整備を行うものとすること」ということで、罰金額を引き上げるということです。
 第二は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正」です。
 一は「高年齢者に係る労働者派遣事業の特例を廃止するものとすること」です。
 二は「その他所要の規定の整備を行うものとすること」です。
 第三は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正」です。
 一は「育児休業等取得者の業務について行われる労働者派遣事業の特例を廃止するものとすること」です。
 二は「その他所要の規定の整備を行うものとすること」です。
 高年齢者あるいは育児休業、介護休業を取る方については、現在の制度では特例を設けており、基本的にはネガティブリストになっています。現行の2つの特例の労働者派遣事業においては、港湾運送業務、建設業務、警備業務、高齢者の場合ですと省令で定められておりますが、物の製造の業務、これ以外は労働者派遣事業を行うことができるということですが、先程業務の範囲のところにありましたように、本体のほうもネガティブになるということで、その特例が本体のほうに吸収されるということで、その特例は廃止するということです。それから、条文等の関係で移動等がありますので、「その他所要の規定の整備を行うものとすること」ということです。
 第4は「施行期日等」です。一は「この法律は、平成十一年七月一日から施行するものとすること」です。二は「この法律の施行に関し必要となる経過措置を定めるとともに関係法律の規定の整備を行うものとすること」です。これは、施行期日と経過措置等の規定です。以上です。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○会長
 どうもありがとうございました。本件について、ご意見、ご質問がありましたら、ご発言をお願いします。

○委員
 ただいまご説明いただきました法案要綱の内容について、労働者代表委員を代表しまして、いくつか見解を申し上げたいと思います。また、同時に前回、我々が提出した質問書に対する回答をいただきました。その回答内容については、これから申し上げる内容とほとんどリンクをする関係もありますので、回答について、我々が納得し得る内容ではないということについてのみ申し上げておきたいと考えております。
 まず、大きく分けて2つの見解を申し上げます。1つは、総論的な見解ということですが、本日、諮問されました法案要綱というものは、非常に残念ではありますけれども、5月14日に労働者代表委員の強い反対意見を押し切り労働大臣に建議した内容に沿ったものであり、労働者代表委員の意見というものは何らこの法案要綱には反映されていない。このようなことから、この法案要綱の内容について、認めることはできません。現行労働者派遣法を抜本的に見直すのであれば、何回も我々が指摘をしていますように、派遣労働に対する考え方や、労働市場における派遣労働者の位置づけ、さらには保護策の拡充がなければならないと考えております。しかし、建議の段階では、社会経済情勢や、労働者の就業意識の変化、あるいはILO第181号条約の改定などに指摘をするにとどまっており、結果的に経営側の自由裁量権のみが拡大され、労働者代表委員が強く指摘をしてきました中途解除の禁止など雇用の安定や労働者保護措置が置き去りにされていることについて、極めて遺憾と言わざるを得ません。
 労働者派遣法そのものが、1986年の施行当時から指摘をされていますように、雇用と使用を分離することによって使用者責任が曖昧となり、この10年間、派遣先での契約の中途解除による一方的解雇問題や、あるいはここ最近、社会的問題ともなっておりますプライバシーの侵害など、労働や人権にかかわるトラブルが多発している、ということを指摘せざるを得ません。今、直ちに是正すべきことは、労働者の保護措置と、制度を守る、実効性が担保される罰則を含む適切な救済措置をこの法案要綱の中に規定することだろう、と考えております。
 いくつかの小委員会の中でもご議論いただいていますように、フランスあるいはドイツなどにおいては、常用雇用の代替が原則禁止されているあるいは雇用期間を超え継続した場合については、雇用関係が生じる。こういうようなかなり厳しい規定があるわけですので、当然、日本的派遣労働においても、そうした労働者の保護措置がまずもって規定されるべき、と我々は考えております。
 以下、各論について、いくつか申し上げたいと思います。まず第1点は、臨時的一時的な労働力の需給調整策と位置づけている新たな派遣制度については、現行の26業務の派遣制度とは性格を異にすることから、別立て方式の制度設計を行うこと、これは譲るわけにはいかないということです。
 2つ目として、業務の範囲の問題については、新制度あるいは新制度の枠組みの下では、原則として無原則の自由化は認められない。仮にネガティブリスト化するとしても、製造業の生産工程ラインへの禁止、あるいは医療部門への禁止、人事労務管理部門への禁止など禁止すべき業務をこの法の中に明記すべきだということを、強く指摘しておきたいと思います。
 労働者保護については、全くもって我々の許容し得る範囲にはとどまっていない、と指摘せざるを得ないと思います。派遣労働者は、基本的には労働条件も雇用も不安定な性格を持っていることから、派遣労働者に対する適正な労働者保護措置が講じられなければならないと考えます。特に、1つ目としては、派遣期間を超えた場合には、派遣先での雇用責任の義務化を規定する。今回の法案要綱では努力義務になっていますけれども、これでは我々としては受け入れられないと考えます。
 2つ目としては、労働条件に関する派遣元、派遣先の共同責任を明確にする規定を盛り込むべきである。派遣制度というものを大きく質的に転換するということになれば、当然、それに伴う労働条件に関する派遣元、派遣先の共同責任というものが問われるだろうと考えております。特に社会保険問題については、この法案要綱の中でも指摘をしていますけれども、これでは不十分である。
 これは社会保険庁の依存型のタイプになっているわけですので、むしろ労働行政として派遣元、派遣先の共同責任を課すべきだと考えます。
 3つ目として、ここ最近の最大の問題は、不合理な派遣契約の中途解除の問題です。これまでも指摘をしてきましたが、この問題について全く記載がされていない。従って、我々としては、中途解除の禁止と派遣先の賠償義務の規定について、きちっと明記すべきだと考えております。
 4つ目は、プライバシーの問題、不利益取扱の問題です。特にプライバシーの問題については、今の派遣法よりは一歩前進ということは評価できます。しかし、それらに対する担保措置が全く見えていない。したがって、プライバシーの問題であるとか、あるいは不利益取扱いの問題というのは、ILO条約に基づき、罰則を含む規定を設けるべきだということを指摘しておきたいと思います。
 5つ目は、派遣先の福利厚生施設の利用の権利の明記の問題です。この問題については、もう少し派遣法の中にもきちっと福利厚生施設の利用のあり方というものについて記載をすべき、ということを考えております。
 労働者保護については、今、言ったようないくつかの主要な問題について全く今回の法案要綱には触れられておりませんので、これらの部分について、さらにもう一歩、我々の主張というものを規定すべきだ、ということを指摘しておきたいと思います。
 先程も申し上げましたけれども、制度の枠組みの問題であろうかと思いますが、育児介護休業特例派遣等は制度の趣旨が一般派遣とは異なり、これまで制度を設けてきた趣旨が歪められ、さらに濫用されることが危惧されます。従って、現行の特例派遣制度については、そのまま維持すべきということを主張します。
 最後ですが、建議に盛り込まれている適正運営協力員の機能拡充について、法案要綱では全く示されていない。派遣労働者の苦情や問題事案の事前防止及び早期解決を図るためにも、適正運営協力員の機能や権限等について、派遣法に明記をし、十分機能するような措置を図ることを我々としては求めたいと思います。
 以上、総論的な部分、そして法案要綱のいくつかの各論について、意見を申し上げましたので、是非これらの内容について十分吟味していただき、この法案要綱に盛り込むことを要望いたします。以上です。
 以上、申し上げた点については、あとで,メモをお出しします。

○事務局
 ただいま、委員からいろいろご指摘があったわけですけれども、前回の審議会の時のお話の確認にもなりますが、前回、私どもとしては建議をいただきましたので、それに基づいた法案要綱を作成して、次回、諮問をいたしたいというお話を申し上げました。それで、できるだけ早い機会に答申をいただいて、臨時国会に法案を提出したいというお話を申し上げたわけです。それについて、法案要綱を諮問すること自体は、今日こういう形でやっているわけですが、委員から、その先の答申について、諮問の要綱どおりということでは、認められない、そういうことであれば、労働者代表委員としては重大な決意をせざるを得ないというお話がありました。
 そこで、私どもとしては、重大な決意ということになりますと、非常に審議会の運営が難しくなりますから、そういうことにならないように出来るだけ円満な結論が出るように努力をいたしたいということを申し上げて今日に至ったと理解いたしています。
 そこで、そういうことを踏まえて、ただいま問題の指摘があったわけですが、これにつきまして、今、直ちにこれについての考え方の整理が出来るということでもありませんし、公益委員の先生方とご相談しながら、先程申し上げたような経緯を踏まえて、できるだけ調整をいたしたいと考えているところです。それで、そうした結果を踏まえて対処いたしたいということです。
 今までいろいろ私どもが検討してきている中で、なかなか難しいと感じるところもあるわけですが、いずれに致しましても、ご指摘いただいた項目について、いろいろ検討して、ご相談をさせていただきたいと考えます。

○委員
 5月14日に労働者代表委員から中職審の会長に対して質問書が提出されました。その中で、私は民需小委にずっと出ておりましたから、誤解のないように1、2点申し上げたいと思います。1点目は、事務局の対応について、労働者代表委員から誠実でないというふうな印象のご質問がありました。もちろん質問書に対しては、回答書が出ています。38回、民需小委で審議をずっと重ねまして、その際に労使双方から意見がでました。今、委員がおっしゃった意見もみんな出ているわけですね。それに対して、公益委員の先生方から適切なご指導やご助言もいただきましたし、あるいは事務局から偏らないで参考資料を提出していただいて、審議自体は事務局に誠実に対応していただいたおかげで、私は進んだというふうに思っております。そのことについて、その民需小委に出ておられない方が誤解されるといけませんから、それを1点、申し上げさせていただきたいと思います。
 2点目は、今日、労働者派遣ではなくて、その前にいろいろご説明がありました中で、失業率の問題がありました。失業率を下げるといいますか、上げないということについて、何も労働者派遣の自由化がすべてだとは考えておりません。実際、今後ますます増加していくだろう、こう考えているわけです。企業の国際競争力はどんどん低下しますし、非自発的な失業者は増加していくのではないか。それに対応するにはどうしたらいいか、あるいは今度、就業者の多様な選択肢にどうやって応えていったらいいか、あるいは女性とか高齢者の就業規模というのは増えますから、当然また失業率が増えていく。そういった中での対応の1つの策としては非常に有効な策だろうと、こう思っています。今回、参議院の選挙がありまして、審議会は別に政党がどうだろうと関係ないわけですけれども、今回の参議院議員の選挙の結果で、野党側にむしろ責任を持った対応をしていただけるのではないか。反対ばかりではなくて、そういう対応をしていただけるのではないかと期待をしておるのです。その中で、失業率をどうやって減らすかということについて、審議会の中で雇用主代表委員も労働者代表委員も、もっと真剣に考えていかなければいけないだろう。そのためには、やっぱりこの問題には前向きに取り組まなくてはいけないだろうというのが2点目です。
 それから、法律案要綱にありましたように、それぞれ必要な事項については審議会の意見を聞くことになっているわけです。従って、今後まだ審議会でも小委員会でも、十分討議をしていかなくてはいけない。しかし、今までずっと審議を続けてきました。やっぱり、ある程度の形をつくって、答申をしなければいけないだろう。しかし、実際にいま委員がおっしゃるような問題点がいっぱい残っているわけですね。それは、ネガティブリスト化することによってのマイナス面も当然あると思います。この法案については、実は雇用主代表委員だって、まだ言いたいことがいっぱいあるわけです。本来は全部フリーにすべきだというのが雇用主代表委員の意見ですから、それに対して随分譲ってきているわけです。それぞれ言わせてもらえば、雇用主代表委員にもいっぱい意見があるわけです。その中で歩み寄って、こうやって1つの形にまとめてきたのですから、やっぱり形にまとめたうえで、問題点はこれからどんどんまた真剣に討議を進めて、お互いにフランクに話し合って、次の世代にあまり禍根を残さないような形で決めていかなくてはいけないのではないだろうかと、考えております。

○事務局
 おっしゃるようなことも確かにあったと思います。ただ、結果として、今回の建議自体が公益委員と雇用主代表委員賛成、労働者代表委員反対という形でまとまった内容であることは事実です。その点について、先ほどいろいろ委員がおっしゃっております。そういう観点を踏まえた上で、審議会としては十分にご議論をいただく、あるいは円満に進めていくということも、今後の労使関係、そういう観点からも非常に重要なことです。
 そういうことを考えますと、この労働者派遣事業制度のあり方というのは、労使の意見が非常に鋭く対立している面があるわけです。そうしたことについて、どのように具体的に対処するかということを併せて考えていきませんと、一方では確かにILO第181号条約が採択され、そういう意味では派遣労働という働き方が国際的にも認知されているわけですが、なかなか円満な運営ができない、という点も併せて考えなければいけない。そういうことになりますと、そうした点について、どのように考えるかという点について、いろいろと審議会で調整をさせていただいてご議論を頂くということになるのではないか。
 率直に言って、私はこの問題に5年間かかわってきておりまして、5年目になっているのですが、その間に中央職業安定審議会では、雇用問題について、そう労使の意見が対立することなく対応が決まっていくということがほとんどだったわけですが、この問題については非常にその辺が異なっている、そういう問題です。そういう問題ですから、おそらくこれについて具体的な対処するとすれば、例えば答申のあり方も、従来のような形の答申というのは、なかなか難しいのではないか。そういうところも含めて検討しないと結論がうまく出ていかないのではないかということが現実問題としてあると考えておりまして、そういう観点から、例えば答申についての取りまとめをするとすれば、事務局としては公益委員の先生方とご相談しながら、あるいは労使にもご相談しながら、やっていく必要があるのではないかと考えております。そういう経過を踏まえたうえで、できるだけ円満な結論を出していただくようにしたいと思います。ただ、経緯からいきますと、労働者代表委員は基本的にこの問題について賛成ということではないわけですから、そういうところを踏まえてどう対処するかという点について、考えていく必要があると思っております。

○委員
 私のほうからは、ちょっと質問をさせていただきたいのですが、先ほど事務局の方が建議に沿って法案要綱をまとめたということを言われまして、この建議を読みますと、ILO第181号条約というのが何度も出てまいります。条約の批准を念頭に置きながら検討を行うということが共通認識であるし、政府もまた、この条約を早期に批准することについて閣議決定しているということですから、この法案要綱は当然ILO第181号条約の批准ということがクリアできる、ということで作業されたのだろうと思うのです。ILO第181号条約については我々労働者代表委員は、労働者保護について具体的な規定がなされたものと考えております。当然ILO第181号条約を批准するということは、そうした労働者保護の部分、建議でいうと別添6ページのところに、個人的な情報の保護、派遣元事業主と派遣先における派遣労働者に対する責任の分担等の労働者保護のための措置が具体的に規定された、と書かれておりますが、そうした点について、この法案要綱で、十分クリアされているのかどうか。
 それから、建議の別添の9ページの下から5行目、派遣元事業主が収集するデータの内容の制限の部分ですが、民間の労働力需給調整機能全体の中で個人的な情報の取扱いを検討する必要があるから、同条約の批准に向けて、所要な措置を講ずるということが記載されておりますが、こうした点について、この法案要綱でカバーされているのかどうか、そうした点について、お伺いしたいと思います。

○事務局
 派遣の問題については、ILO第181号条約の第11条、第12条、それからいま委員がおっしゃいましたデータの取扱いの問題、秘密の問題があります。まず、第11条、第12条の問題については、第11条は国がそういった措置をとるべきであるということで、現在、我が国においてはクリアしておると考えております。第12条の派遣元、派遣先での責任の分担の問題についても、これは縷々民需小委の中でもご説明申し上げましたけれども、国内法的には担保はされていると考えております。
 それから、派遣元事業主が収集するデータの内容の制限の部分ですが、派遣元事業主が収集するデータの内容を制限すべき、違反の場合の罰則を含む制裁規定を設けるべき、これが労働者代表委員の意見ということになっておるところです。この点については、民需小委でいろいろなご議論がなされたわけですが、最終的にILO第181号条約を批准していく時に、有料職業紹介事業などとセットでやっていったほうが、よいのではないかという見解を事務局として申し上げてきたところです。そうした観点から、この要綱では規定されておりません。ただ、秘密の漏洩の部分については要綱にも規定しているわけですが、それについての担保措置がないのではないかということで、先ほど委員から罰則を含めて検討すべきではないかというご意見があったところです。

○委員
 そうすると、この法案でILO第181号条約は批准できるということなのですか。

○事務局
 第11条、第12条の関係につきましてはクリアしていると考えております。
 ただ、派遣元事業主が収集するデータの内容の制限のところにつきましては、職業安定法も含めて、さらにILO第181号条約を批准する際に派遣法の部分についても整備をしていく必要があると考えております。それは縷々民需小委の中でも申し上げております。ただ、委員から、民需小委の中でも「前倒しでやるべきではないか」というご意見をいただいているということで、その意見が労働者代表委員の意見ということで記載されているところです。

○事務局
 もう1つ、苦情処理の関係で、基本的な苦情処理のあり方のご議論が建議の中に記載されておりますけれども、それは全体として考えるということがあるわけで、そう簡単には実現しない、難しい面があるわけです。現実的な対応として、中央の職業安定審議会という三者構成の審議会で、そういうセクションをつくって検討を行うということは可能であると考えております。
 それから、労働者保護の問題について、きちんと担保措置をとるべきであるということは、確かに1つの考え方であろうかと思います。どこまで措置するかという問題は別にして、例えばプライバシーの担保措置等、あるいは労働基準法と同じように法違反等があった場合に、派遣労働者が労働大臣に申告することができるような枠組みをきちんとつくって、その後の不利益取扱いを禁止する。そうすると、それについては、やはり労働基準法と同じような形で担保措置として罰則をつけるということが可能かどうか。この法案要綱には載っておりませんけれどもそういう問題はきちんとした保護措置というものを考えるということで、あり得る話です。

○委員
 失業率が4.1%という状況にある中で、今回の改正においては、労働市場を混乱させない改正にしなければいけないと思うのです。とりわけ今回の改正は、ILO第181号条約を前提にした改正だと思うのですが、何分諮問された内容ですと、今までの派遣法自体をかなり形骸化させているような内容であるということと、私はこれは派遣のパート化ではないかと思いました。とりわけ派遣先に対する規制の強化とか、先程プライバシーの問題が出ましたけれども、ILO第181号条約は、このプライバシーの問題も、労働者保護のルールを設定するということで書いているものです。これによりますと、そういった保護の部分が措置されていないというところで、私たちも40数回も議論してきて、ある程度のところでの合意はわかっているのですけれども、それでもなおかつ円満な処理の仕方となると、まだ、今日、諮問された内容ではとても合意できないような、また、ILO第181号条約を基準にして改正した内容には程遠いものであるという部分があります。先ほど事務局のほうからも申されたように、これを持ち帰りもう少し検討いただいて、納得できるような内容で、再度議論をさせていただきたいと思います。

○事務局
 それから、もう1つ問題なのは、確かに一方でILO第181号条約との関係で言えばネガティブリスト方式であるということであるとしても、我が国にとって、当面それが非常に激変を生じさせるものであることも事実なわけです。
 今まではポジティブリストで、専門的な業務である26業務だけを長い間認めていて、それを条約との関係でネガティブリスト化にするという、これはILO第181号条約との関係で、ネガティブリスト化という方向で諮問申し上げているわけですが、それが非常に激変であるということも事実なわけです。
 そうしたことを踏まえて、どうするかという問題もあるわけです。例えば5月時点で私どもは各省ともいろいろとお話したのですが、各省からもネガティブリストに載せてほしいという要望が、現実に出ております。それは、おそらく関係団体、業界団体の要望を踏まえて、そういうものができている。例えばいわゆる士業務であるとか、医療関係であるとか、そんな問題もあります。そういう問題にも現実的に対処していく必要があるのではないかと考えているところです。

○委員
 事実関係をお伺いしたいのは、先ほど雇用主代表委員の方から、今回の小委員会での議論が、使用者としては見直しに当たっては基本的には規制については、これは一切をすべきでないということで、そこを出発点にして譲るべきところは譲った、というようなご発言がありました。現実、この小委員会の議論として、雇用主代表委員は、すべての規制をすべきでないという観点で議論を出発させたうえで、小委員会の結論が出たのかどうかということについて、事実の問題としてお伺いをさせていただきたいと思います。

○委員
 これは私がお話したことなのでお答えしたいと思います。規制を緩和して全部ネガティブリスト化というのは、やっぱり世界の流れではあると思っています。ただし、日本特有の雇用関係という労使で長い間つくってきた雇用関係がありますから、それを壊してまでということは考えておりません。ただ、規制緩和の流れの中で、それに乗ってというのではないのですが、規制があることによって、世界から仲間外れになる、あるいは雇用のさまざまな形態ということについて、あまりにも規制がありすぎることで、世界の中で仲間外れになるだろうと。こういう認識は個人としては持っております。これは個人としての発言ですから、それをそう受け取っていただけたかどうかはわかりませんが、私個人としてはそういう考え方を持って、ずっと発言してきております。

○会長
 それではもう時間も過ぎておりますし、前回の労働者代表委員からの質問書する回答書も納得できるものではないというようなお話でしたけれども、そこで事務局から先ほどご返事しましたように、本日出されたご意見を十分配慮して、公益委員と事務局とで相談しながら、次回の審議会までに要綱を調整したいと言っているのですけれども、そのことについて、ご了承いただけるかどうか。先ほど委員は労働者代表委員を代表してとおっしゃいましたけれども、公益委員と事務局とで調整をし、労使とご相談するということをご了承いただけるかどうか、ご返事をしていただけるといいかと思います。

○委員
 我々は5月14日の時に、建議をしてもらいたくない、という意見を明確に申し上げたわけです。しかし、残念なことに、これは我々の言葉で言いますと、公益委員と雇用主代表委員の数で押し切られて建議がなされたという事実については私たちは否定出来ないと思っているわけです。従って、当然今日出された諮問内容は、その建議に基づいた内容である限り、我々が認めることができないという主張を、この段階で変えるということにはならないのです。その点については是非、ご理解を賜りたいと考えております。
 それと今、他の労働者代表委員のほうから、質問をさせていただいたわけですが、我々が言うことはすべて何かためにするためのものではないわけで、むしろ我々は、派遣労働については、それなりの社会的ニーズとしてあるということは認めているわけです。ただ、先ほど雇用主代表委員は自由化は国際的な流れだ、とおっしゃいました。しかし、同時にフランス、ドイツなんかでは、規制がなされていることは事実の問題です。従って、私たちは今そういう問題について、10年遅れましたけれども、10年間の反省の上に立って、問題点を提起しているということについて、是非ご理解を賜りたいというふうに思いますが、、最後に会長がおっしゃった取扱いについては、我々としてはその取扱いで結構だと思います。

○会長
 どうもありがとうございました。それでは、そういう形でさせていただきます。

○委員
 先程事務局のご説明で、各省との話の中で、いわゆる士業務みたいな話があるということを言及されたのですけれども、私どもはやはり事業者の立場から見ますと、そういう資格を持っている人でも、常用雇用にはできないけれども、ある局面で、請負というような形式もあるのでしょうけれども、派遣という形で一定の期間使わせてもらうというニーズはあるわけなのです。それで、そういう資格を定めているというのは、能力的に一定の国家資格ということでチェックをするという観点からなされている制度なのだと思うのです。それと派遣事業の対象にする、しないというのと、どういうふうに抵触するのかというところが若干疑問があるような気がします。そこについては、いずれにせよ法律の要綱の中でいいますと、「命令で定める業務」というところに落ちるのだと思いますから、これはあまり余談を持たないで、将来の議論として白紙にしておいていただければありがたい、と感じておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○事務局
 余談を持っているということでなくて、事実を申し上げておりまして、所管している省庁から、これは困るという話があります。困るという背景には、これは省庁の事情があるわけですから、そちらの省庁のほうがいいといえば、今言った命令の対象にすることもできますし、困るというものは、法律を制定する過程において、そういうものについては難しいしとする。こういう問題があります。そういう点についての判断は、私どもの問題というよりは、むしろ所管省庁の問題です。
 それから、ただいまの調整の問題ですが、この調整の問題は先ほど申し上げましたように、法案要綱について意見がいろいろ出てきているのをどう調整するかという問題です。そうしますと、その調整のあり方としてはいろいろご意見を聞いて、答申案という形で整理をしないと、なかなか難しいのではないかという感じがあります。それについても是非ご理解いただきたいと思います。

○会長
 それでは、本日出されましたご意見を十分配慮したうえで、公益委員と事務局で相談して、次回の審議会までに調整をした案をお出しするということにしたいと存じます。

(署名委員の指名)

 長時間のご議論、どうもありがとうございました。


(注)本文中に記載されている資料については労働省にて閲覧できます。
 資料についての問い合わせは職業安定局庶務課 03−3593−1211(代)までお願いします。




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