女性少年問題審議会議事録

 日 時平成11年3月3日(水)17時00分〜18時00分
 場 所労働省省議室
 出席者
〔委 員〕
学識経験者  野田委員、渥美委員、安枝委員、辻山委員
労働者代表  片岡委員、熊崎委員、高島委員、岡本委員、増田委員
使用者代表  須永委員、橋本委員、大塚委員、深澤委員
 議 題
(1)  国家公務員及び地方公務員において、定年退職者等を新たに再任用する制度の導入に伴う育児・介護休業法の一部改正について(諮問)
(2)  雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案のうち、育児・介護休業法施行規則の一部改正について(諮問)
(3)  女性部会長選出
 配付資料
(1)  「国家公務員法等の一部を改正する法律案要綱」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律関係)及び「地方公務員法等の一部を改正する法律案要綱」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律関係)
 参考1−1 国家公務員法等の一部を改正する法律案新旧対照表(抄)
 参考1−2 地方公務員法等の一部を改正する法律案新旧対照表(抄)
 参考1−3 国家公務員法等の一部を改正する法律案
 参考1−4 地方公務員法等の一部を改正する法律案の概要について
 参考1−5−1 現行の臨時的任用(期間雇用)の公務員の育児、介護に関する休業等について
 参考1−5−2 新たな再任用職員に対する育児休業、介護休業等の制度の適用について
 参考1−6 参照条文
(2) 「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則関係)
 参考2−1 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案新旧対照表(抄)
 参考2−2 育児・介護雇用環境整備助成金の創設
 参考2−3 「家庭にやさしい企業(仮称)」の普及促進事業
 議 事
(会 長)
 ただいまから女性少年問題審議会を始めます。委員の皆様には、お忙しいところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の議題である諮問案件に入りたいと思います。労働大臣から、「国家公務員法等の一部を改正する法律案要綱」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律関係)及び「地方公務員法等の一部を改正する法律案要綱」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律関係)について諮問を受けましたので、審議に入ります。お手元に、大臣からの諮問文の写しをあらかじめお配りしています。事務局から、説明をお願いします。

(事務局)
  (資料1について説明)

(会 長)
 いまのご説明について、何かご質問はありますか。

(委 員)
 内容の定年延長に関する趣旨については、民間企業でも、今日出されているような充実した制度の定年延長制度を持っているかどうかは別として、異論がないという意味を申した上でなのですが、そもそもこれが育児・介護休業法の改正という関係で見たときに、本来育児・介護休業法で検討すべき課題がいくつかあると考えている点で、意見を述べたいと思います。
 1つは現在の育児・介護休業法は法律による適用対象外とされている者に、「期間の定めのある者」があります。今回の公務員の定年延長に伴う対象者は、いまのご説明によると、一定期間の定めがある公務員が対象となっています。介護休業とか、いくつか民間の対象外とされている適用が認められていますが、そういうことからいえば、まずは現在の育児・介護休業法の「期間の定めのある者」を法律の対象とするということの議論が先ではないか、と私は思います。そのことは、労働基準法の改正に伴って、今後一定の職種を問われますが、3年の契約労働が出てくるわけです。そういう契約労働者も現在の解釈では「期間の定めのある者」というふうに伺っていますので、そういう人を含めて、休業対象者が法律的に制度の枠外におかれていくということが、非常に問題だと私は思います。
 第2は、パート労働のところでも議論になりましたが、パート労働者の多くは、「期間の定めのない」という働き方をしていますが、中には有期雇用で契約更新が何回にも及ぶという人たちもいます。その中でそういう更新をする人たちが実態的に無期間雇用者の制度面での休職という権利がきちっと認められているかというと、パート労働者の説明の中で、一部そういう、制度的に十分担保されているという例はありましたが、実態は基本的には必ずしもそうではないほうが多いと思います。そういう意味では、ここでいう今回の定年延長の再任の中の短時間公務員の労働条件というか、内容と比較しても、まず民間のパート労働者の権利担保が必要ではないかと考えています。
 第3は、いまご説明を受けて、公務員のいわゆる定年延長に至らない、現在働いている人たちの常勤、非常勤の枠組が示されましたが、非常勤職員の方の生活と仕事の両立支援というのは、これを見る限り、制度面では担保されていないですね。もちろん定年延長の人たちも含めてということになると思いますが、非常勤職員の人たちの権利保障がむしろ必要であって、そういう人たちの育児や介護に対する権利保障をまず先決問題として挙げるべきではないかと思います。今回の改正対象者となっている定年延長後の働く人とのギャップも非常に差が大き過ぎると見られます。そういう、いま3つ申しました意見を踏まえて、様々な雇用形態が多様化していく中では、そういう契約労働の問題も今後は出てくることもあるし、まずは何よりも現在の育児・介護休業法の期間の定めのある者について、その権利をきちっと認めていく法改正があるべきだと思います。
 そういうことがないまま、今回のように公務員の方の定年延長部分に対する制度的な面で、育児・介護休業法を改正するということについては、基本的には反対です。ちょっと納得がいかないというのが意見です。以上です。

(会 長)
 いまの問題については、ご意見として伺ってよろしいでしょうか。というのは、この問題自体は法律改正に基づいて、一連の改正がくるということで、いまの問題のご提案は非常勤の公務員と今度の問題の差が大きいのではないかということと、それから民間の非常勤の人の育児・介護休業についての問題を同じように考えるべきではないか、保護を十分にするべきではないか、そのような趣旨でした。それでよろしいでしょうか。

(委 員)
 意見と質問と両方入りますが、いま発言があったことと重なりますが、今回諮問されている中身については、公務員のほうの労使の話し合いも踏まえて、こういう提案が出されてきたのですから、私は納得がいき難いと思いながら、やむを得ないのかなと思っています。しかし、公務員の人たちの労働条件について、この育児・介護休業法の中で、「公務員に関する特例」という付け足しの部分について、諮問されているのですね。ここで、いいとか、悪いとか言えることではないんです。
 だから、そういう意味で、仕方がないと言っているのであって、私たちが反対しても、それはもう手遅れで、どうしようもない。しかし、いま発言がありましたように、この資料1の5−1、資料1の5−2を見ただけでも、現行非常勤職員の方がとても沢山いて、この人たちは対象になっていません。そして、今度対象になる人は、1年契約労働者なのに、対象になってきます。
 そうすると、現在のパート労働者との扱いはどうなんですかとなるわけです。育児・介護休業法の本則の2条の中で、「パ−ト労働者は育児・介護休業法の対象にはしない」と最初に書いてしまっているわけです。対象にはしないとしながら、特例で対象にしますということです。しかも一部だけ対象にするというのは、いかにも法律の整合性からいって、おかしいではないか、と思います。そうかといって、先ほど申した事情ですから、前回のこの審議会で短時間労働者の雇用管理に関する法律の議論をして、法律改正に至らないで、とりあえず指針の改定までいきました。
 あの時にも、パート労働者がとても増えている、育児・介護休業法の対象にならない労働者になってきているということがこの審議会で議論をしてきているわけですから、この問題をどうするのかというのは、大きな課題だと思います。また新たに4月から労働基準法で導入される3年有期雇用の人たちも、育児・介護休業法の対象外になってしまう、これはどうするのですかということです。折角こういう法律があっても、対象外の労働者がとても沢山いるということですから、できるだけ早く、こちらの審議会の課題になってくるでしょう。労働基準法の労働時間に関する激変緩和措置の後の対応の検討もしなければいけませんから、そのときに現行の育児・介護休業法の議論、その持っている問題点について、きちっと議論をするということをすべきであると思います。
 そのことについて、労働省はできるだけ関係の問題について整理をして、きちっと提起をしていただきたいと思います。そういうことについても、労働省の見解をお聞きしたいと思います。

(事務局)
 確かに、公務員法制を育児・介護休業法に書いているのですが、これは本来はどこか専門的な所にあればいいのでしょうが、いろいろな議論があった末に、あまり置き所がないということで、ここに書いたというふうに聞いています。公務員法制のこういう今回の常勤と非常勤の格差というのは、公務員の中の話ですから、これは公務員制度を所掌している省庁で5年間くらいかけて慎重に研究されたと聞いていますので、その辺については、私どもはとやかく申すような立場にはないわけです。
 それから、先ほど発言があったことで、例の労働基準法の3年の期間雇用者については、これが育児・介護休業法の保護を受けるのかどうかということですが、これは今の法制でいっても、3年間くらい従事する有期のものについては、やはり労働基準法14条でいう「期間の定めのある者である」ということですので、今回の労働基準法の改正においても、解釈上期間雇用に該当して、育児・介護休業法から外れていくということになります。そういったことについては、今後本審議会の場等で激変緩和措置に合わせて審議していただきたいと思っています。

(会 長)
 ほかにご意見、ご質問はございますか。

(委 員)
 育介法の中にこういう規定が入っているのは、やはり違和感を感じるのは事実です。公務員の実態を私たちもあまりよく知らないのですが、今回の諮問自体がそういう性質のものなので、民間に影響を与えるものでないと、そういう認識をしていますので、了承をしたいというような気持です。

(委 員)
 資料1−3の12ページの関係ですが、「対象者」は3つあるというお話でしたが、もう少し具体的にお願いします。

(事務局)
 これは第1が60歳定年退職者、第2が60歳定年に達しても、非常に得がたい人材ということで1年勤務延長制度で勤務延長されたような人、第3は定年前に辞めた人、いわゆる肩叩きの方であって、もう60歳を過ぎているという人です。その人についても、対象にするということです。

(会 長)
 これからお配りする答申案のようなことで、「おおむね妥当である」ということであれば、こういうことで答申をまとめたいと思います。

  (答申案配付)

(会 長)
 今回の諮問はこういうことでまとめたいと思います。よろしいでしょうか。

  (異議なし)

(会 長)
 ご異議がなければ、このようにまとめさせていただきます。次の諮問案件として、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則関係)について諮問を受けていますのて、審議に入ります。お手元に大臣からの諮問文の写しを配付しています。事務局から説明してください。

(事務局)
  (資料2について説明)

(会 長)
 ご意見、ご質問がありましたら、どうぞ。

(委 員)
  毎回言うことですが、どうして事業主団体でなくてはいけないのですか。それから、これに類似する助成事業でこういう事業主団体を指定するようなものはほかにあったのではないでしょうか。

(事務局)
 委託事業として、中小企業における介護の取組をモデル事業的にいままでやってきた例があり、これは助成金ではありませんが事業主団体ということでやっています。また、パートタイムの雇用管理の集団的な取組みについて、助成している例もあります。直接労働団体がいろいろ取り組んでいる例は、たしかに例はないわけではないですが、地方でこういった事業が行えるところといえば、事業主団体が多いのではないかと思っています。雇用管理の問題ですので、事業主が責任を持って取り組んでいただかないと、なかなかこういった家庭にやさしい企業というものの普及は図れないと考えています。

(委 員)
 労働組合ということではなくて、事業主団体でも、労働組合でもないNPOがやってもいいではないかという話が出てくるのではないですか。そういうことを事業として、一生懸命やっているところもあるのではないか。

(事務局)
 構成員企業の雇用管理の改善ということですから、NPOだと、なかなか会員組織かどうかというところもあって、ちょっとそこまでは考えが及んではいないのですが。

(会 長)
 どういう事業をするNPOをお考えですか。

(委 員)
 例えばファミリー・サポート・センターみたいな事業をやっている所がありますね。そこに会社として会員になっていただいているところがありますね。そういうところを一生懸命指導して、「これ受けませんか」という話だって、あり得るのではないかと私は思えるのです。ここには「事業主団体」と書くのでしょう。

(事務局)
 これまでのところ、業種別のいろいろな組合的なものをイメージしていますが、それ以外で是非やってもらいたいということがあれば、例えば事業主団体と労働団体とでNPOを作られてそれでやるケースなど、いろいろ検討してみたいとは思っていますし、そういう柔軟条項も設けるつもりでいます。

(会 長)
 そのこと自体子育て支援のプランとしては、承認していただいてもよろしいのではないでしょうか。今後そういう問題が出てくれば、労働省でも検討していただこうということでよろしいでしょうか。

(委 員)
 要望ですが、いままでのこういう制度は、こういうやり方でないとやりにくいことは事実だろうと思いますので、いまのところ、やむを得ないと思っているのですが、いろんな助成金の制度を見ていますと、結局恵まれた企業の恵まれた女性の所ばかりにいくのです。もっと、困っている女性たちに、今後の問題として、何か助成するような制度にしてほしいと思います。能力開発の問題も、個人に支給する制度は今度出来ましたから、やはり本当に困っている女性たちの所に何かいかないと、あまり意味がないのではないかと思います。こういう制度を普及させていくという狙いはもちろん重要ですから賛成ですが、そういうことと同時に、将来お計りいただけるように、それは要望です。

(会 長)
 そういうご要望を十分に今後の課題として、お聞きしておくということで、これはこれでご承認いただくということでよろしいですか。

(委 員)
 質問なのですが、表彰のほうですが、これについて、もう少し詳しくご説明ください。これは大臣表彰になるのでしょうか。

(事務局)
 いまのところ、いわゆる都道府県の室長表彰と、大臣表彰を若干ということを考えています。

(委 員)
 枠がそんなにないということですか。

(事務局)
 枠の数はいまのところ検討中なのですが、年1回10月の「仕事と家庭を考える月間」に表彰したいと考えています。

(会 長)
 よろしいですか。そういうことで、妥当であれば、まとめたいと思います。いま答申案をお配りしています。

  (答申案配付)

(会 長)
 このようなことで、「おおむね妥当と認める」という趣旨で、答申をまとめたいと思いますが、ご賛同いただけますか。よろしゅうございますか。

  (異議なし)

(会 長)
 それでは、そのようにさせていただきます。次に女性部会長の選出に移りたいと思います。若菜前女性部長が昨年ご退任されて、新たに女性部会長を選任していただく必要がありますので、女性部会長は女性少年問題審議会の審議会令第6条第5項によって、女性部会の学識経験者の中から、女性部会員の選挙によって選出することになっています。ちょっと女性部会の方だけの問題になって、この時間をお借りして一緒にやるということになりますが、そういうことで女性部会の皆様として、いかがでしょうか。

(委 員)
 渥美委員が適役だと思いますので、是非お願いいたします。

(会 長)
 よろしゅうございますか。では渥美委員に女性部会長をお願いいたします。

(委 員)
 私は去年の4月に初めてこの会に参加させていただいたのですが、この話は初めて伺ったのですが、なぜ今まで空席だったのでしょうか。それから、前回この審議会自体が今後いろいろ改組されるというふうに伺いましたが、この時期に、なぜ1年間空席だったのか、それを知りたいと思います。

(事務局)
 部会長については諸般の事情により、若菜部会長がご退任のあと、部会長選任の時機を捉えなければならないところでした。しかしながら、その後何回か、緊急の用務でこの審議会を開くことになりましたが、先生方の日程を調整するときに、どうしても政策上の緊急の必要性があって開催した関係上、公益委員の先生方が必ずしもお揃いになるチャンスを捉えられませんでした。なるべくでしたら、学識経験者の委員の中から選出するということですので、全員お揃いのときを捉えたいと事務局で思っていた関係で大変遅れてしまいました。申しわけございません。ただ、年度も押し詰まってまいりましたし、実は新年度には部会を開催する必要のあるテーマもあろうかということで、公益委員の先生方がお揃いになる今日、ご選任の手筈をした次第です。ただ、急遽、お一人委員がご欠席になってしまいましたが、後延ばしすると、新年度の運営にいろいろ支障も出てきますので、この時期にお願いしたということでございますので、是非ご了承いただきたいと思います。

(会 長)
 よろしいですか。女性部会長にご就任いただいた渥美委員から一言お述べいただきます。

(渥美委員)
 大変まとめ上手で、仕切り上手だった若菜部会長の後任ということで、私がどこまでできるかわかりませんが、あまり、まとめ上手、仕切り上手でもないのですが、皆様に精一杯助けていただいて、十分な議論を尽くしてまいりたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

(会 長)
 議事録署名ですが、労働者側は高島委員、使用者側では須永委員にお願いしたいと思います。公益側は、私がいたします。本日は、どうも大変ありがとうございました。



(注)  本文中に記述されている資料については多量なため省略しております。資料についての詳細及び問い合せについては、女性局女性福祉課 03-3593-1211(代)までお願いします。



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